フランス、EUが「過剰赤字手続き」-各党の選挙キャンペーンに制約
危機以降にEUは手段を強化し、欧州安定メカニズム(ESM)の救済基金や欧州中央銀行(ECB)が債券買い入れで市場を落ち着かせるために介入できる条件を正式化した。ただ、ECBは「健全で持続可能な財政・マクロ経済政策」をとっている国についてのみ資産買い入れを実施するとしている。
フランス中銀のビルロワドガロー総裁は、財政赤字の拡大を避けるよう繰り返し呼びかけ、国民を尊重するということは「現実が要求することを認識し、背負いきれないような重い財政赤字をこれ以上増やさないことだ」と論じた。
ルペン氏はまだ自身のプログラムの詳細を明らかにしていないが、RN党首のジョルダン・バルデラ氏は、赤字をさらに膨らませるような政策に言及。どのような歳入が期待できるかはほとんど明らかにしていない。
一方、新人民戦線の各政党は、必須消費財の価格凍結、最低賃金の引き上げ、EUの財政規則による緊縮財政の拒否などを盛り込んだ選挙マニフェストで一致している。
マクロン政権は選挙運動のテーマとして経済不安を取り上げ、対立候補が政権を握った場合の結果を警告している。ルメール仏経済・財務相は先週、左派連合が勝利すれば経済崩壊とEU離脱につながると警告。その政策は「格下げ、大量失業、EU離脱を保証するものだ」と主張した。
原題:EU to Slam France Over Budget Deficit, Adding to Political Woes(抜粋)
--取材協力:Samy Adghirni、Jorge Valero、Tom Mackenzie、Zoe Schneeweiss.
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William Horobin