決定したばかりのJリーグ再開はどうなる?!名古屋の金崎夢生が新型コロナ感染
陽性が判明する経緯こそ異なるものの、金崎およびグランパスのケースは事前に想定していたプロトコルがそのまま踏襲されたことになる。保健所から濃厚接触者と特定された選手やコーチングスタッフは原則2週間の隔離となり、その間は練習が再開されたとしても支障が出るだろう。 ただ、今回のJ1およびJ2の再開とJ3の開幕を決めるに当たって、Jリーグと各クラブの代表取締役や理事長らが務める実行委員との間では、議論百出の末にある“条件”が確認されている。 「サッカーの文化を育てていかなければいけない、という私たちの使命のもとで、どこかのタイミングでしっかりと再開あるいは開幕する、という覚悟を決めることをすべてのクラブと合意しました」 これまでにも再開目標は3度設定されては流れ、その後は白紙状態に戻っていた。4度目となる今回は不退転の決意を込めてクラブ間の最大公約数を取って実行委員会で結論を弾き出した。 おりしも北九州市で第二波の襲来が指摘されていて、東京都でも2日夜に「東京アラート」発動が宣言された。実際に再開された後に北九州や東京だけでなく、他の地域や都市でも感染者数の再拡大が散発する場合にどうなるのか。村井チェアマンは毅然とした口調でこう語っている。 「過去において台風が一定エリアで限定的に発生したときなども、当該ゲームを別の日程に動かすことを行っています。なので、それほど潤沢に日程が空いているわけではなく、選択肢が限られてくると思いますが、地域の事情で個別のゲームの日程を動かすことは起こりうるかもしれません」 当該試合を順延するだけではない。どちらかのクラブがハンデを抱え、公平感が損なわれる試合もあると見越して、今シーズンに限って「降格なし」の特例を設けた。隔離者が多い場合には高校生年代のユース所属の選手たちをトップ登録することで補充し、公式戦に臨める方針も固めている。 金崎の陽性発覚後にすぐにJリーグへ連絡を入れた、グランパスの小西社長も「これは私たちと新型コロナウイルスの戦い。Jリーグ全体は前へ進んでいる」と、決まったばかりの再開日程には影響を与えないと強調した。今後はPCR検査を補完する感染防止対策となる、毎日の検温を含めた健康管理や日々の詳細な行動管理が、すべての選手たちにより強く求められていくことになる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)