東洋大姫路・高畑は天性の打撃センスの持ち主、神宮での1発に惚れ惚れ【この秋輝いた球児たち】
今年の明治神宮大会は、この男の一振りで「開幕」した。東洋大姫路(近畿・兵庫)-聖光学院(東北・福島)の開幕戦。1回に東洋大姫路が5番打者・高畑 知季内野手(2年)の3ランで先制した。 【成績一覧】高畑の近畿、明治神宮大会の打撃成績 1回2死一、二塁。2球目の直球をとらえた打球が、左翼ポールを直撃した。初戦勝利をもたらず貴重な先制3ランとなった。初球は真ん中低めの直球。それを1球見定めると、同じコースに入ってきた直球を、打ち損じることなく振り抜いた。リストのきいたスイングで、バットがしなるようにみえる柔らかなフォームだった。天性のキレのあるスイングが身についているようだ。 167センチ、64キロ。見るからに細身の体つきだが、名門・東洋大姫路の遊撃手で5番。打線の中軸を担っているのはスイングから理解できる。2019年U‐12W杯の日本代表メンバーで、下位打線ながらレギュラーとして日本の準優勝に貢献。二塁手としてベストナインにも選出された。細身の体を存分に使ったしなやかな守備も高校生離れしている。 明治神宮大会では、安打がこの本塁打だけという悔しい結果に終わった。近畿大会ではコンスタントに安打をマークしてきた男が、このまま引き下がるわけがない。来年のセンバツの舞台では、本塁打を含め、パンチ力のあるセンスあふれる打撃を披露するに違いない。