ギュレル、スタンチュらEUROで激増するエリア外からのミドル 現代では減っていたエリア外からのゴールに脚光集まる
戦術トレンドに変化が起こる可能性は
EURO2024はグループステージ第2節へと突入したが、ここまで目立っている得点パターンの1つが『エリア外からのシュート』だ。 大会のファーストゴールとなったドイツ代表MFフロリアン・ヴィルツがスコットランド戦で決めた一撃も、ペナルティエリアのすぐ外からのものだった。 そのゲームではドイツ代表MFエムレ・チャンもエリア外からのミドルでダメ押しの5点目を奪っており、他にもウクライナ代表を3-0で粉砕したルーマニア代表はそのうち2点がエリア外からのミドルだった。 トルコの新星MFアルダ・ギュレルがジョージア戦で奪った決勝ゴールもエリア外からのスーパーゴールで、英『sky Sport』は過去に例を見ないほどエリア外からの得点が多いと驚いている。 クラブシーンで見ると、昨季のイングランド・プレミアリーグではエリア外からの得点は11.5%の割合に留まっている。同メディアによれば、これは2010-11シーズン以降では最少の割合だったという。 EUROの過去大会を見ても、EURO2016ではエリア外から17ゴール、EURO2020は19ゴール、それに対して今大会は早くも12ゴールだ。 現代サッカーはより組織的なものとなり、相手の守備を崩す攻撃の形はかなり細かい。同メディアはそれもエリア外からのシュートが少なくなっている理由と見ていて、エリア外からのシュートよりも確率が高いプレイが選択されているというわけだ。 しかし代表の場合はクラブよりも連携を構築するのが難しいため、それもミドルシュートが増えている理由かもしれない。組織で崩すより、個の能力で強引に打開する方法を持つチームの方が代表戦では強いとも言えるか。 ウクライナを撃破したルーマニアは9本のシュートを放ったが、そのうち6本をエリア外から放っている。その姿勢は超積極的で、それがウクライナ撃破に繋がったと言えよう。同メディアは今大会を機にミドルシュートの重要性が見直されるかもしれないと戦術トレンドの変化を早くも感じ取っていて、組織的な守備を崩す際にミドルの選択肢は重要なものとなってくるかもしれない。
構成/ザ・ワールド編集部