なぜ渋野日向子は我慢のゴルフで全米女子OP3日目も首位キープができたのか…「奇跡的にまだ一番上にいる」
アウトスタートの1番(パー4、425ヤード)でパーオンに成功するも、15mのバーディーパットを3m近くもショート。パーパットもカップの左を外れ、3日目にして初めての3パットでいきなりボギーを叩いた。前日夕方から夜にかけて降った雨で、グリーンは微妙に重たくなっていた。 バーディーパットが外れるにしても問題ない距離を残していた渋野のパット数は、初日の「30」から2日目の「28」をへて、3日目には「32」へと増加。7番(パー4、408ヤード)、14番(パー4、416ヤード)、最終18番(パー4、424ヤード)でもパーパットを外してしまった。 加えて、2日目の舞台だったジャックラビットコース(パー71、6558ヤード)よりも距離が長く、特にミドルホールのほとんどが400ヤードを超えるサイプレスクリークコースでは、特にドライバーの飛距離で後塵を拝する渋野にとってセカンドショットも長い距離を残す。 同じサイプレスクリークコースを回った初日こそ、渋野のセカンドショットは正確性を誇った。しかし、強まった風と難易度を増したグリーンの状態とも相まって、より難しい位置に切られたピンの近くに寄せなければいけない、という思いが微妙な力みを加えさせてしまったのか。初日に15ホールを数えたパーオン(83.3%)は、3日目は11ホール(61.1%)にまで減ってしまった。 例え外してもパーをセーブできる状況と、何としても1パットで沈めてパーをセーブしなければいけない状況とでは、置かれた心理状態がまったく違ってくる。ホールアウト後の第一声となった「長かった」は偽らざる本音であり、渋野はさらにこんな言葉も紡いでいる。 「本当に(パットが)ひとつ入れば、というところでなかなか入ってくれなかったので、ストレスが溜まるゴルフではあったんですけど。そのなかで耐えられるときには耐えられていたので、何とかこれで(スコアを)抑えられていたのかな、という感じでした」 パットとセカンドショットの正確性を予選ラウンドに比べて欠いてしまったなかで、それでも首位をキープした渋野を支えた「これ」とは、課題に挙げていたグリーン周りのショートゲームだった。