優先すべきは経済復興か、感染第二波警戒か? 久保建英がプレーするスペイン「ラ・リーガ」再開決定の是非
テバス会長は個人的な意見と前置きした上で、大規模なイベントの開催を9月まで禁止した政府の方針のもと、先月30日にリーグ・アンの打ち切りを決めたフランスプロサッカーリーグ機構を批判。すでに再開されていたスペイン国内の他の産業を引き合いに出しながら、こんな言葉を紡いでいた。 「工場の組み立てラインにおける作業や、あるいは漁船に乗り込んでの作業よりも、新型コロナウイルス感染へのあらゆる予防措置が講じられ、さらに無観客試合で行われるサッカーの危険度の方が高いと言われる理由がわからない。すでに各チームがトレーニングを再開させている他国こそ、私たちが見習うべき模範となるはずだ。スペインの経済にとって、サッカーは重要なエンジンとなる」 ヨーロッパ諸国のなかでも、スペインは特に厳格なロックダウン(都市封鎖)が実施されてきた。外出する場合は原則として一人。目的も近所への食料品の買い出しや犬の散歩、病院への通院などに制限され、散歩やジョギングも禁止される日々が3月中旬から続いてきた。 ようやく日常生活における段階的な緩和がスタートしたのは5月に入ってからだった。連動するようにラ・リーガの各クラブも、選手やコーチングスタッフらへのPCR検査を介して新型コロナウイルス感染の有無を確認。その上で制限を設けながらトレーニングを再開させてきた。 芝生の匂いを感じられる練習を、選手たちも待ち焦がれてきた。例えば2部のウエスカに所属する元日本代表FW岡崎慎司は、個人練習が再開された今月11日にツイッター(@okazakiofficial)を更新。グラウンドを走る自身の動画に、力こぶを示す絵文字を添えてこうつぶやいている。 「久しぶりにサッカー選手である事を実感してます。」(原文のまま) もっとも、4月下旬の段階では政府のサルバドール・イジャ厚生大臣が「ラ・リーガが夏前に活動を再開できるかどうかを言えば、それは私の軽率な発言になる」と語っている。1カ月もしないうちに状況が一変したわけだが、新型コロナウイルスをめぐる数字はドイツとは大きく異なっている。