【闘病】30歳で「子宮頸がん」自覚症状もなく他人事に感じた… 情報の取捨選択がより重要な時代に
今回話を聞いたのは、30歳という若さで子宮頸がんと診断されたサバイバーちゃん(仮名)です。自覚症状もなかったことから、なかなか病気を受け入れることができなかったといいます。 【写真】闘病中、治療前後のサバイバーちゃん(仮名) そんなサバイバーちゃんはどのように病気を捉え、日々を過ごしているのでしょうか? また、病気について情報収集をする際に気をつけるべきことなども教えていただきました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2024年2月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
30歳の私が子宮頸がん……? 初めは他人事にしか思えなかった
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 サバイバーちゃん: 子宮頸がん検診は定期的に受けていました。ですが、あるとき不正出血があり婦人科を受診しました。そこでいくつか検査を受け、「子宮頸がん」と告知を受けました。 編集部: 自覚症状などはあったのでしょうか? サバイバーちゃん: 特にありませんでした。不正出血も病院を受診したきっかけになった一度だけです。 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? サバイバーちゃん: 単純に子宮を全摘出するのではなく、腟の一部分を含めて周りの組織を骨盤壁の近くまで切除する「広汎子宮全摘術」と合わせて「骨盤内のリンパ節郭清」「両側卵管摘出」「卵巣移動術」をまず行い、病理検査の結果で手術後に放射線治療と化学療法を行うことになりました。 編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 サバイバーちゃん: どこか他人事でした。告知後、手術台に向かうまでずっと受け入れられずにいました。死ぬのが怖いというよりは特に自覚症状もなかったので、「元気なのになぜ治療しないといけないの? 長生きしたいわけじゃないのに」という気持ちの方が強かったです。 また、婦人科系のがん=リンパ浮腫というイメージが強く、子宮摘出よりリンパ節郭清に対する不安のほうが心のダメージが大きかったですね。 編集部: 発症後、生活にどのような変化がありましたか? サバイバーちゃん: 検査を受けるまで特に自覚症状がなかったので、告知後も何も変わらず日常を過ごしていました。ただ術後は排尿障害が残り、術後1年、自己導尿を続けていました。 それから放射線治療による卵巣への影響を予防するために卵巣の移動術はしたものの結果的には卵巣の機能が低下し、急に汗をかく、不眠、関節が痛むなど更年期障害のような症状もありました。 こちらの症状はエストロゲンの投与によって落ち着き、現在はエストロゲン投与をやめて様子をみているところです。 また、軽度ですがリンパ浮腫の症状があり、予防のために可愛い靴も履けず、日焼けも虫刺されもNGなためアウトドアも思い切り楽しめず、長風呂やサウナも禁止されています。 「大変な思いをして手術を受けても後遺症に悩まされるし、治療を受けても2度と今の身体には戻れない……」そんな自分を徐々に受け入れようとしているところです。 編集部: 闘病に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。 サバイバーちゃん: 情報収集のため始めたSNSで同じ婦人科系のガンサバイバーさんたちと繋がり、温かいメッセージをいただいたことです。「ひとりじゃないんだ」と沢山の勇気と希望をいただきました。見ず知らずのわたしに励ましの言葉をかけてくれて、本当に感謝でしかありません。