Softspokenが語る、ポストハードコアにポジティヴを落とし込む理由、日本カルチャーの影響
Vamprose Management Agencyと契約した理由
―Softspokenが珍しいのは、日本の会社とエージェント契約をしていますよね。どうしてVamprose Management Agency(VMA)と契約をすることになったんでしょうか。 クリス:VMAのことはALESTIというアーティストを通じて知ったんだ。SoftspokenがALESTIとコラボしたときに彼がVMAについてポストしてるのを見て、「なんだこれ? メール送ってみよう」って。そしたらスタッフから返事が来て、VMAがやってることを教えてくれたんだ。彼らは日本でのツアー制作もしてるっていうから、僕は日本に住んでたことがあって日本とのつながりがあるし、日本語も話せるから、「一緒にやろう!」って。 ―意外と積極的なんですね。 クリス:イエス、オルウェイズ。 ―Softspokenのサウンドとサムのボーカルは日本人にもウケると思います。もしいるようでしたら、好きな日本のバンドを教えてください。 クリス:さっきも言ったように僕の奥さんは日本人でいろんな音楽を聴くからほかの2人よりは多いかも……最近だとブリンバンバンブリンバンバン……。 ―ああ、Creepy Nuts(笑)。 クリス:そう(笑)。彼女と息子が毎日聴いてる。僕自身が聴くのはONE OK ROCK、Survive Said The Prophet(※編集注:Softspokenは、Survive Said The Prophetの米ツアーにサポートアクトとして出演が決定した)……。 ケビン:花冷え。。 サム:Crystal Lake、Crossfaith。 クリス:あとはPromptsも好き。 ケビン:ああ、BABYMETAL! ―日本のヘヴィミュージックについてどう思いますか。 クリス:すごくいい。音源もライブも洗練されてる。あと、日本のヘヴィミュージックには日本特有のサウンドがあるように感じるよ。 ケビン:アニメを観ているような感じ(笑)? クリス:いや、そうじゃなくて、なんて言ったらいいのかわかんないけど、独自のものがあるんだよ。オーストラリアのメタルにはオーストラリアのサウンドがあるように、日本には日本の音がある。 ―もうちょっと説明してもらうことはできますか。 クリス:もちろん。でも、ちょっと時間くれる……? ケビン:「ぼっち・ざ・ろっく!」は知ってる? あのアニメの音楽は遅い部分がまったくなくて、速くて重厚。俺にとってはそんな感じの表現が日本の音楽を言い表すのに一番合ってるかな。 クリス:日本のヘヴィミュージックにはちょっと実験的な感じがあるんだよ。アメリカのヘヴィミュージックには定型があって、重いパートが来たあとにコーラスが来る、みたいな感じなんだけど、日本の場合は時々それが変わって、予想できない展開になることがある。僕はそれが好き。 ―ケビンはアニメが好きなんですか。 ケビン:そうだね。「ぼっち・ざ・ろっく!」とか「キャロル&チューズデイ」みたいな音楽モノが好き……あと、「四月は君の嘘」! あれも音楽が最高。 ―今回の日本ツアーには何を期待していますか? ケビン:できれば日本の永住権。 ―あっはっは! サム:ライブがうまくいって、楽しめて、みんながまた俺たちに戻ってきてほしいと思ってくれることを期待してるよ。 ケビン:日本のファンは熱心にライブを観に行ってるように見えるしね。アメリカだと時々、ライブを観に来てもらうために人々を引っ張っていかなきゃいけない感じがするんだよ。みんなSpotifyで音楽を聴くだけで満足しちゃって、怠惰になってるのかもしれない。 ―やっぱり、アメリカでの音楽の楽しみ方は変化していますか。 ケビン:そうだね。オンラインでアクセスしやすくなったからね。みんなスマホを持ってるし、みんなSpotifyのメンバーになってる。 クリス:ライブ映像はYouTubeで観られるし。 ケビン:誤解しないでほしいんだけど、アメリカにも熱心なリスナーはいて、ハードコアバンドのライブがソールドアウトすることもあるんだよ。でも、ここからさらに成長するのはなかなか難しいように思える。 ―最後に、今後の目標を聞かせてください。 ケビン:俺たちには特にゴールは必要ないと思うんだ。このまま成長を続けていきたいけど、今の自分たちの状況やいろいろな機会にはすでに満足してる。もちろん、アリーナをソールドアウトさせたい、みたいなゴールはあるけど、今、愛着があって誇りを持てる音楽を送り出せていることが幸せだよ。これを続けていけたらいいな。
Daishi "DA" Ato