Softspokenが語る、ポストハードコアにポジティヴを落とし込む理由、日本カルチャーの影響
一番意識しているのは、自分たちらしくあること
―曲作りにおいて大事にしていること、Softspokenの音楽に欠かせない要素はなんですか。 サム:ボーカルとして一番意識しているのは、自分たちらしくあること。俺の人生は波乱万丈というわけではないんだけど、このジャンルは怒りとか暗い面に目を向けがちで、多くの曲が人生で起こる悪いことをベースにして歌詞が書かれているけど、俺はポジティブなことを音楽に落とし込むことを大事にしてるんだ。それはこの音楽ではニッチだしね。「I Against Me」とか「Oblivion」では、自分の中にある弱さを見つめ直すことで怒りが湧き上がって、そこからポジティブな方向へと進んでいく自分を表現してる。 クリス:歌詞も音楽も大事だし、サムと同じで、自分たちらしくあることが大事だね。音楽面ではダイナミクスを持つように意識している。いいメロディは欲しいけどトゥーマッチにならないように、ヘヴィにしたいけどこれもトゥーマッチにならないように、いろんなもののいいとこ取りができたらいいと思ってる。あと、もちろんキャッチーでありたいね。 ―たしかに、歌詞は自分の内面と向き合ったものが多いように感じます。Softspokenとしてはどういうメッセージを伝えていきたいと思っていますか。 サム:俺たちにはスローガンみたいなものがあって、それは「Keep your mind well(心の健康を保て)」なんだけど、俺たちのファンやこういった音楽を聴く若い人たちの多くは、自己探求をしたり精神的に苦しんでいたりするんだけど、このジャンルはそういった人たちに手を差し伸べて助ける上ではパーフェクトなんだ。俺たちの音楽が最も困難な時期を乗り越える助けになったと本当にたくさんの人たちが言ってくれるし、それが俺たちにとっての成功の証なんだよ。 ケビン:「Lovetok」では、自分たちも含めて、多くの人がソーシャルメディアを通じて目的を見つけようとしていて、再生回数とかの数字にとらわれて物事を見失いがちだけど、そういうことよりも人生の本来の目的に目を向けようっていうことを歌ってるよね。 ―やっぱり、再生回数って気になってしまうものですか。 クリス:うん、そんなに気にしないようにはしてるけど(笑)、自分たちの音楽にはそれなりに時間もお金も費やしてるし、何よりメッセージがある音楽だからたくさんの人に聴いてもらいたいからね。時々、「マジかよ、また(数字が)下がった!」ってなることがあって、それが「Lovetok」で歌ってることでもあるんだけど、とにかく気にしないようにしてるよ。 ケビン:世の中にはいろんなバロメーターがあるけど、少なくともアメリカではSpotifyが一番簡単に見られる数字だよね。だから、それを見ないようにしたり考えたりしないようにするのはけっこう難しいよ。でも、週ごとに数字が変わったりして一喜一憂するけど、世の中にはSpotifyだけじゃなくて、Apple Musicもあるし、CDもあるし、こうやって日本に来ることもできてるんだから、そのことは忘れちゃいけないと思ってる。