Softspokenが語る、ポストハードコアにポジティヴを落とし込む理由、日本カルチャーの影響
ポストハードコアの魅力、影響を受けたアーティスト
―話は戻りますが、Softspokenを組んだのはクリスが日本からアメリカに帰ってきてから? クリス:いや、Softspokenのオリジナルメンバーは僕だけなんだけど、厳密には日本で曲を書いて、アメリカに帰ってから友達に連絡して、「バンドの構想があるから一緒にやろうよ」って感じ。 ―最初から今みたいな音楽がやりたかったんですか。 クリス:進化はしてるけど、ポストハードコアという意味では同じだね。 ―ポストハードコアの何が魅力だったんでしょう。 クリス:ダイナミクス。ひとつの曲の中にすごくソフトで穏やかなものとすごくクレイジーなものが同居していて、それがすごくエモーショナルなんだよ。 ―セイオシンやアンダーオースといったバンドから影響を受けているそうですが、メロディメイカーとしてはどんな人から影響を受けていますか。 サム:(クリスに向かって)俺たちがいつも話してる人がいるよね。 クリス:ああ、エリック・ロンというプロデューサーでありソングライターでもある人がいて、今だと彼はゴッドスマックとかブラック・ベイル・ブライズみたいな大きなバンドと仕事をしてるんだけど、かつてはポストハードコアシーンのバンドともたくさん仕事をしていて、彼が書く曲はどれもよくて人気なんだよ。彼は自分のスタイルを持ってる。 ケビン:曲作りをする上での公式みたいなものがあるよな。 クリス:そう。だから、僕たちは彼が書く曲を楽しみながらも、「どうやってこれをつくったんだ?」って考えてる。彼から受けた影響は大きいね。 ―ほかにはどうですか。 クリス:たくさんいるよ。若い頃はニルヴァーナとグリーンデイ。パンクがすごく好きだったんだ。あと、アイアン・メイデンのメロディックなギターが好き。だから、僕たちの音には、ニルヴァーナみたいなグランジロック、アイアン・メイデンのメタル感とメロディ、あとはグリーンデイがもつパンクのエネルギーといった要素があるんだ。 ―とてもユニークなコンビネーションですね。 クリス:サムは特にパンクが好きなんだ。 サム:スカもね。あと、レゲエも。 クリス:ケビンはどんな音楽も演奏するよ。 ケビン:スワンコアが好きだね(笑)。ダンス・ギャヴィン・ダンスとか。 Photo by Okabe Mei ―Softspokenの音楽からはポストハードコアやメタルコアの要素を感じますけど、ジャンルに固執することなく自由に表現しているように感じます。 サム:気づいてくれてありがとう。とてもいい褒め言葉だよ。 クリス:僕たちはそこまでヘヴィなわけではないからメタルバンドだとは思わないけど、ロックと呼ぶには重すぎるんだ。 ケビン:だから、ポストハードコアと呼ぶのがパーフェクトなんだよ。 クリス:ちょうど中間にいるからね。でも時々難しくて、対バンライブに出ると自分たちが一番ソフトなこともあるし、逆に一番ヘヴィなこともある。 サム:そうなんだよなあ。 ケビン:やってる音楽や使ってる楽器はみんな似てるから、それ以外にどうやって比べるかっていうと、スクリームよりも歌が多いか、歌よりもスクリームが多いか。自分たちの場合はスクリームよりも歌だね。