「白内障」の手術を受けた方がいい人の特徴を医師が解説 視力が良くても手術が必要?
白内障手術の費用や治療前に知っておきたいこと
編集部: 「見えにくくなったら手術」というだけではないのですね。 田口先生: そうですね。手術をするかどうかは、先ほどお伝えしたような様々な観点を踏まえて総合的に判断します。視力が良くても、緑内障や糖尿病の罹患(りかん)状況、年齢などによって、白内障手術の必要度が高くなることもあるのです。したがって、症状が全くなくても自治体の眼科検診は必ず受けてください。 編集部: 白内障手術の費用についても教えてください。 田口先生: 眼内レンズは大きく分けて、1カ所にピントが合う「単焦点眼内レンズ」と、「遠距離」と「近距離」など、複数箇所にピントが合うようになっている「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。保険が適用される単焦点眼内レンズの手術だと、日帰り手術で3割負担だと片目約5万円、1割負担だと片目約1万8000円でおこなうことができます。ただし、検査・診察代は別途費用がかかります。入院で手術をする場合は治療費とは別に入院費がさらに上乗せされます。加えて、お仕事の休暇調整や入院の準備なども必要になってきます。特に術後に全身的な管理を必要としない人は、日帰りの方がメリットは高いと思われます。お仕事になるべく影響をきたさないように、当院では日曜日も手術をおこなっています。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 田口先生: 「目の手術は怖い」というイメージを持っている人は多いと思います。特に、いわゆる「昔の医療」を経験されてきたご高齢の方は、そのような意識が強いと感じています。しかし、白内障手術は機器の技術革新が目覚ましく、現在はとても安全な術式が確立しており、手術時間も約10分と、手術というよりは処置に近いものです。私自身も海外の病院を見学したことがありますが、日本の眼科医の先生は手先が器用だと感じました。従来の「手術」のイメージよりはハードルが低くなっているので、悩んでいる人はぜひ検討してみてください。