日本の「焼き鳥」を外国人がみんな大好きな深イイ理由とは?
焼き鳥を食べた後もテンションが上がる個人的な話を聞いてくれる? 食べながらどんどん追加注文して、途中からどのくらい食べているのか分からなくなること、ない? ここで登場するのは「串入れ」だ。串入れを見ればどれくらい串が入っているかで食べた量が確認できるから、さらに興奮しちゃう。食べた料理の「証拠」はテーブルになかなか残らないから、焼き鳥屋さんのこういうのが好きだ。
「焼き鳥」は日本への旅の思い出、日本の文化に触れるきっかけ
次に、食文化との融合に声を失うほど感動する。焼き鳥は単なる食べ物ではなく、日本の食文化そのものを象徴する存在なんだ! 居酒屋で仲間とビールを片手に焼き鳥をつまむという光景は日本人にとって日常的なものだけど、その温かさが外国人の心を打っている。 そして、焼き鳥は健康的でもあるんだ。よく考えたら鶏肉は高タンパク低カロリーな食材として、世界中で健康志向の人々に人気がある。また、焼き鳥は、揚げ物と比べて油分が少ないから、ヘルシーな食事ができるというメリットが大きい。 ここからもっと深く焼き鳥の魅力に掘っていこう! もちろん僕も含めて外国人にとって、焼き鳥の存在は単なる食べ物ではなく、日本への旅の思い出、日本の文化に触れるためのきっかけとなっているのよ。焼き鳥屋では、カウンターに座って日本語が通じなくても、なぜか会話になることが珍しくはない。隣の日本人をちらっと見て、どのように食べているかをチェックしているうちに、話しかけてもらえる。日本人はシャイと言われることがあるけど、僕はそれは違うとはっきり言える。困っている外国人にこんなに優しくしてくれるなんて、日本人だけだよ! 日本人のように食べて飲んで楽しむことで、文化の壁がなくなるんだ。
僕もそうだけど、外国人にとって一番大事なのは「日本の味覚体験」だ。焼き鳥は日本人にとって日常的な食べ物だけど、外国人から見ると異国情緒あふれる料理。日本の味覚だけではなく、パーフォマンスも体験したいなら焼き鳥に行かない理由はない。そして、コミュニケーションツールにもなる。焼き鳥屋は人々が集まって食事を楽しむ場所だから、言葉の壁を越えて、焼き鳥を介してコミュニケーションを取ることができる。1人でも入れるから、外国人にとっては日本の友人を作るきっかけにもなる。恋愛も始まるかもよ? 焼き鳥を食べることは、日本の食文化を理解するための第一歩だといえる。焼き鳥を通して、日本の歴史や風習、人々の暮らしについて学ぶことができるから最高すぎる場所だ。たった一本の焼き鳥で日本へのアモーレが止まらなくなったイタリア人の僕がここにいる。
● マッシ
本名はスガイ マッシミリアーノ。1983年、イタリア・ピエモンテ州生まれ。トリノ大学院文学部日本語学科を卒業し2007年から日本在住。日伊通訳者の経験を経てからフードとライフスタイルライターとして活動。書籍『イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ』(KADOKAWA)の他 、ヤマザキマリ著『貧乏ピッツァ』の書評など、雑誌の執筆・連載も多数。 日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジなどをイタリア人の目線で執筆中。ロングセラー「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」(note)は145万PV達成。
文・写真/スガイ マッシミリアーノ 編集/森本 泉(Web LEON)