息切れ、息苦しさは「呼吸筋ストレッチ」で改善。肩の上げ下げ、首のストレッチなど3つの動きを解説
浅く速い呼吸によって、体に必要な空気を取り込めていない人は多いそう。心身の老化を食い止める、《良い呼吸》を手に入れる方法を伝授します(構成◎村瀬素子 イラスト◎こやまもえ) 【図】呼吸筋の弾力性を取り戻す、首のストレッチ * * * * * * * ◆呼吸機能低下と免疫力 「早歩きをすると息が切れる」「なんとなく息苦しい」といった自覚症状がある人は、呼吸機能が低下しているかもしれません。 肺は風船のようなやわらかい臓器で、首、肩、胸、腹など肺のまわりに集まる「呼吸筋」と呼ばれる筋肉群の収縮運動によって膨らんだり縮んだりし、空気を出し入れしています。しかし、30代から筋肉の柔軟性が低下し始めるため、少しずつ収縮運動がうまく行えなくなっていくのです。すると、肺の「機能的残気量」が増えていきます。 機能的残気量とは、普段の呼吸で息を吐いたときに肺に残っている空気のこと。肺が潰れないように少量の残気は必要ですが、余分に残っていると、新たな空気を取り込むスペースが狭くなり、十分な量を取り込めません。すると、浅くて速い呼吸になり、息苦しさを感じたりして、ますます呼吸の効率が悪くなります。 このように、放っておけば呼吸の機能は衰える一方。空気の出し入れがうまくいかない状態が続くと、全身に空気を巡らせることができず、疲れやすい、免疫力が低下する、臓器の働きが悪くなるなどの不調に繋がってしまうのです。
◆7種の動きで呼吸をラクにする 「呼吸筋」は、吸うときに働く「吸息筋」と、吐くときに働く「呼息筋」に大別されます。これらの筋肉を伸ばしたり縮めたりする動作を胸式呼吸とともに行い、弾力性を取り戻していきましょう 【ポイント】・足は肩幅に開き、背筋を伸ばしてまっすぐ立つ ・毎日、各3セットずつを目安に行う ・胸式呼吸で鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐く ・体が硬い人や痛みがある場合は、椅子に座って行う
肩の上げ下げ(吸う筋肉) 1)息をゆっくり吸いながら、肩を前から回すように上げる 2)息をゆっくり吐きながら、肩を後ろに回すように下ろす
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