【インタビュー/後編】家のローンと更年期で汗まみれの頃に大ブレイクした高畑淳子さん
食生活は、五味五色。 五味(甘い・塩辛い・酸っぱい・苦い・辛い)と五色(赤・白・黄・緑・黒)を毎日の食事にまんべんなく取り入れることで、健康を保っているそう。 「元気なご高齢の女優さんに『何に気を付けていらっしゃいますか?』と聞いたら、教えてくれたんです。 朝一番にヨーグルトを食べますから、白ですよね。それと果物。パイナップルも肌の保湿に良いらしくて、黄色でしょ。黒はとりにくいけど、ひじきとかゴマとか。 朝忙しいときは残り野菜をミックススムージーにして飲むようにしたら、私、もともとすごい肌荒れがひどくて、ほっぺたにクレーターのようなニキビ跡があったんですけど、きれいになりました。効くんですね! それと腸にはゴールデンタイムがあって、夜の11時なんですって。だから寝る前に、ちょっと小腹が空いたなというときには、ヨーグルト飲料を飲むようにしています。肌と腸はすごい関連してるっていうから、それも効いているんじゃないかな。 あと『リンゴは朝一番に食べないと意味がないんだよ』とか、ちょっと聞いたことを妄信的に信じる癖がありますね」 きっちりいろいろ、やっている。 「すぐ人に聞くんです。そして良いと言われると、すぐやります。 3日前にも、同窓会みたいなものがありましてね、そこでひとり、とてつもなく若く見える男性がいて。まわりは髪の薄くなったオジサンばかりなのに、その人だけ髪が黒々としていて、血色もいいんです。 聞いたらその人はNMNをとっているというので、早速ネットで注文しました。まだ届いていないんですけどね」 元気そうな人に会うと、体のために何をしているかを聞いて、実践する。真面目で謙虚で素直で実行力がある、そんな真っすぐな姿勢が、今の高畑さんの健康の秘訣のようだ。それは健康に関することだけではなくて。 「芝居についても聞きます。『お芝居で大事になさっていること、教えていただけますか?』って。でも誰にでも聞くわけじゃなくて、今までに聞いた方は3人しかいません。 森光子さんは、『“和”かしらね』って。市原悦子さんは、『そうね、たかが芝居、されど芝居ってことかしら』って。なるほどなって思いました。 あとひとり聞いたのは、古田新太です。『フルチン、あんた芝居って何が一番大事やと思う?』って聞いたら、『“流れ”っすかねー』って(笑)。3つとも宝です、私にとって」 高畑さん自身は、何を大事にしているのだろう? 「客席に今自分が座っていたら、その自分が見たい芝居をやる、ということです。 演じるときには演じる怖さがあるから、ヘタに見えたくないとか間違えたくないとか、一生懸命になるんですけど、雑念はとっぱらって、客席の自分が面白いと思うような芝居をしたいです」 きっぱり、言い切った。まだまだこれからも、活躍は続く。 「この先年齢を重ねても、体が動くならどんな役でもやりたいですね。舞台の上手から下手までグダグダ走り抜けるだけのオバアサン役とか、座ってるだけで面白い役とか、ご長寿早押しクイズに出てくるご老人みたいな役も(笑)。 私、役柄にはこだわりませんし。歳をとったらとったで、シワやたるみが武器になるかもしれない。ですから今はこう、カツラの下で肌を引っ張り上げていますけど、なるべくいじらないで、これからも素の自分で勝負していこうって思っているんですよ(笑)」