米LAのサイバートラック爆発、容疑者のメモ発見 「政治的不満」や家庭問題を吐露
(CNN) 米ネバダ州ラスベガスにある「トランプ・インターナショナル・ホテル」の外で米テスラのサイバートラックが爆発した事件で、当局は3日、車両を爆発させた米軍要員マシュー・リベルスバーガー容疑者(37)について、自殺前に「政治的な不満」や他国の紛争、家庭内の問題について記したメモを残していたと明らかにした。 【映像】トランプホテル前、サイバートラック爆発の瞬間 ラスベガス都市圏警察の保安官は記者会見で、メモはサイバートラックを運転していたリベルスバーガー容疑者の携帯電話から見つかったと明らかにした。 警察によると、リベルスバーガー容疑者はメモの中で、今回の事件を「テロ攻撃」ではなく「警鐘」と位置づける意図を説明。捜査員が回収した手紙には、「米国人はスペクタクルや暴力にしか注目しない」ことから、「火花や爆発」が自身の意図を伝える最善の方法になるとつづられていた。 リベルスバーガー容疑者はまた、「失った兄弟たち」のことを自身の心から「洗い流し」、「この手で奪った命の重荷」から解放される必要があると吐露。米国は「末期の病で崩壊に向かっている」と記していた。トランプ次期大統領やイーロン・マスク氏、ロバート・ケネディ・ジュニア氏への支持を表明した文言もあった。 ラスベガスでは1日、トランプ・インターナショナル・ホテルの外でサイバートラックが爆発。コロラド州出身のリベルスバーガー容疑者は死亡し、7人が負傷した。当局は3日、タトゥーや親族のDNAを通じて容疑者の身元を確認したと明らかにした。 連邦捜査局(FBI)ラスベガス支局の責任者、スペンサー・エバンス特別捜査官は事件について「数々の勲章を持つ戦闘経験者による悲劇的な自殺」とみられるとの認識を示し、容疑者は「心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの問題に苦しんでいた」と明らかにした。 ラスベガスの事件が起きた朝には、ルイジアナ州ニューオーリンズでも死者を出す襲撃が発生。米軍所属経験を持つ容疑者はレンタルしたピックアップトラックで新年を祝う群衆に突っ込み、14人が死亡した。両容疑者は同じ会社で車をレンタルしていたが、捜査当局の専門家は、両事件に関連性はないと分析しているという。 エバンス氏はラスベガスの事件について「他にも家族の問題や、人生で抱えていた個人的な不満が要因になった可能性がある」と説明。「容疑者が単独で犯行を検討、計画し、入念に準備したことは明白だ」と指摘した。 捜査員は依然、携帯電話2台や他の証拠を含め、事件に関連する「多くの資料」を精査している段階だという。 複数の情報筋がCNNに明かしたところによると、陸軍特殊部隊「グリーンベレー」の現役要員だったリベルスバーガー容疑者は事件時、所属先のドイツの基地から休暇を取っていた。爆発は車体に積んだ花火やガスタンク、キャンプ用の燃料を組み合わせて引き起こされ、容疑者がコントロールする装置で起爆された。