【インタビュー】 新山千春 42歳、マッチングアプリで13歳下の彼と再婚。恋愛スイッチOFFのシングルマザーを、結婚へと後押ししたものとは?
海外との遠距離恋愛は、毎日のテレビ電話で愛をはぐくむ
当時、彼はサンフランシスコ、私は東京。実際に会うまで、毎日のようにテレビ電話をしていました。安心できる人だな、信用できる人だなって、少しずつ想いが募っていった感じです。そんな風にして2カ月ぐらい経ったころ、友だちの結婚式がLAであって、そのタイミングで初デート。「あ、テレビ電話の人だ」と、会えたときはすごくうれしかったですね。日本じゃなくて、自分が好きなLAで会えたというのも、素直になれてよかったですね。「仕事をしている自分」を全部捨てた、リラックスした、本当の自分で会えた気がします。 海外との遠距離恋愛でしたが、常に気にしていたのは時差。「彼は今何時を過ごしているのかな」を意識して生活するのが基本になっていましたね。時差が17 時間だから、日本が夕方だとむこうは夜中。収録の合間にテレビ電話をすることもありました。毎回1、2時間ぐらいテレビ電話をしていましたね。何かおしゃべりするというより、スマホを置いて家事しながらなんかもあったり。テレビ電話しながら、気づいたら寝ちゃってて、というのもありましたね(笑)。
「彼のために別れたほうがいい」から結婚を決意するまで
よく聞かれるのですが13歳という年齢差は、私も彼も特に気にならなかったんです。でも、お付き合いが長くなっていくうちに、彼のご両親のことを考えるようなりました。将来のこと、生活のこと、子どものこと。「気持ちが繋がっていたらいい」とも思っていましたが、将来を考えたら別れたほうがいいんじゃないかと思い始めて。もちろん別れたくはなかったけれど、彼の最善を思って私から別れを告げたこともありました。向き合うのが本当は怖くて彼の連絡を無視しちゃうなんてこともありましたね。そうすると彼は娘を通じて連絡をくれました。ちゃんと話がしたい、と。彼の中には別れるという選択肢はなく、彼はいつも真剣な気持ちで応えてくれました。そんなことも乗り越えて今があります。 交際5年目で結婚。結婚を決めたきっかけは去年末のLAでのこと。娘と彼と3人で2週間ほど滞在予定だったのですが、現地に着いてすぐに娘が高熱を出してしまったんです。薬を飲んでもよくならなくて…。救急病院に行かなければとなったときに、彼が病院の手続きやお医者さんとのやり取りなどすべてテキパキとやってくれたんです。私は焦りもあって体温の測り方ですら戸惑っていました。娘も私も不安だったときに、何をするべきか、何を先生に伝えるべきか、彼は冷静に的確に動いていてくれたんです。本当に心強くて安心感があって。もし娘と2人で行っていたら日本に帰ってこれなかったんじゃないかなって思ったくらいでした。娘が彼に「助けてくれて本当にありがとう」って言っているのを見て、彼と家族になりたいなって改めて強く思いましたね。 彼の部屋を掃除しているときに偶然見つけたのですが、娘が彼の誕生日やバレンタインなどにプレゼントしたものの袋や包み紙、装飾のシールまですべて保管していたんです。とてもあったかい人だな、「大切な人の大切な人を、大切にしたい」という感覚が自分と似ているなって思ったのも大きいですね。娘に「ママには彼が一番お似合いだと思うよ」と言われたのも、結婚のあと押しになりました。 今も旦那さんはアメリカと日本を行き来する生活ですが、みんながそれぞれ自分らしく生きていけて、3人が一緒にいる空間がなごやかで楽しかったら、それがいちばんの理想です。あまり多くは望んでいなくて、ふとしたなにげない時間が楽しく長く続くように、努力しなきゃいけないなって思っていますね。 つづきの【後編】では、17歳のママ・新山千春の思春期の子育て、42歳で始めた妊活について、じっくりお話を聞かせていただきます。
オトナサローネ編集部 木村美穂