青山学院が起死回生のビッグプレーで昇格へ前進 立役者はDL「たまたま僕のところにボールが…」無我夢中に49yd走った
アメリカンフットボールの関東学生1部BIG8は11月2日に第4節があり、青山学院大学と日本体育大学が対戦した。ともにここまで3戦全勝で、TOP8との入れ替え戦出場に向けて大事な試合だった。天候は雨、ときに風が強く吹く厳しいコンディション下。互いにミスが出る中で、試合終了間際に青学大が劇的な逆転タッチダウン(TD)を決め、15-10で勝って4勝目をあげた。青学はDLの諏訪孝太郎(4年、都立富士)が好プレーを連発し、チームの勝利を支えた。 【写真】諏訪が作り出した起死回生の好機を仕上げたQB小川。勝利に沸くチームを見て「良い仲間に恵まれたなあ......」
残り1分12秒 “絶体絶命”の状況から大逆転
時折強い雨が降る中、先制したのは日体大。第1クオーター(Q)の終盤に、青学が自陣20yd付近でボールをファンブル。ボールを押さえた日体大は、RB齊藤進之助(2年、横浜氷取沢)がTDにつなげた。青学は攻撃をTDにつなげられなかったが、フィールドゴール(FG)を重ね、第3Qまでに9点を獲得し逆転。9-7の2点リードで第4Qに入った。 その第4Q、日体大がFGで10-9と再逆転に成功した。そして残り1分少々になり、逆転を狙う青学の攻撃は4thダウン3ydに追い込まれる。このプレーの成否に青学の命運がかかっていた。しかしスナップは乱れ、プレーが崩れる。QBの小川創平(4年、明治学院)がなんとか投げたボールは、WRの手には届かなかった。 残り時間1分12秒で攻守が入れ替わり、日体大の攻撃。ランでボールをコントロールし、時間を潰せば日体大は勝ちに大きく前進する状況だったが、ここで日体大にアクシデントが起こる。 1stダウン、スナップを受けたQBがボールをRBにハンドオフする際にタイミングがズレたのか、手元が滑ったのか。ボールが宙を舞う。一瞬、時間が止まったように感じた。 ボールに向かって、青学のDL諏訪孝太郎(4年、都立富士)が夢中で飛びつく。ボールを奪い去ると、そのままエンドゾーンを目掛けて突き進んだ。TDには3yd届かなかったが、雨の中攻め手に苦しんだ攻撃陣に、起死回生のチャンスを作り出した。 ここで青学は、RB稲益楓輝(4年、東福岡)のランを2回コールしTD。7点差を狙ったトライフォーポイントの2ポイントコンバージョンは失敗したが、15-10と5点のリードを作り、そのままタイムアップに持ち込んだ。