「今WBA王者に勝てるかと言えば50%。ただ将来世界王者になれる素材だ」世界戦中止の井岡一翔"後継者"に堤駿斗が8回TKO勝利で名乗り…敗れた元世界王者が語る可能性とは?
堤はこれでWBA王座への挑戦権を得た。 レギュラー王者のレイモント・ローチ(米国)は、3月1日に1階級上のWBA世界ライト級王者である”最凶の怪物”ガーボンダ・デービス(米国)に挑戦することが決まっている。テクニシャンで一発の威力に欠けるローチに、ほぼ勝ち目はないのだが、ローチが勝てばライト級かスーパーフェザー級かどちらかのタイトルを選択せねばならず、もし負けると120日以内にWBAが指名する挑戦者と指名試合を行わねばならない。 現在、WBAには東京五輪の金メダリストのアルベルト・バティルガジエフ(ロシア)が暫定王者として設置されているため、すぐに堤に指名挑戦権が回ってくるかどうかは微妙だが、「話がくれば受けます。機会は待っていても来ない。やれるとなれば、自分はいきます」と目を輝かせた。 今年は世界ランカーとの試合を重ねてキャリアを積み「年末に世界へ挑戦できれば」との考えがベースにあるが「タイミング次第」でチャンスは逃がさない。 これまでは、一ファンとして捉えていたデービスvsローチのビッグマッチも、一方が、対戦相手になる可能性が出てきたため「今は現実的」。 「タンク(デービス)は本当強いので、ローチがどう勝つか、どこまでやれるのかが気になります。ローチはジャメル・へリングにも負けていて本当の実力がぼやけているところもあるので」 堤の世界王者の可能性について証言したのが敗れたアルバラードだ。 「ローチも堤も2人共にポテンシャルのあるいい選手だ。だが、もし今戦うのなら堤にとっても難しい試合になる。勝てる可能性は50%―50%じゃないか」 アルバラードは2021年12月に地域タイトルをかけてローチと対戦経験があり、0-3の判定負けを喫している。その2年後にローチが世界王者となるわけだが、実際、2人と対戦しているだけに、その言葉に真実味がある。 「試合は困難なものだった。堤は旬にいる選手。グレートな才能を感じた。将来は世界王者になる素質がある。とにかくスピードがある。私はそれに混乱させられスピードについていけなかった。しかもパンチ量が多く、いいパワーもあった。世界王者への道は簡単にではないが、うまく育てば世界王者になれるポテンシャルがある」 49戦のキャリアがあるベテランボクサーの賞賛は社交辞令には聞こえなかった。 ライブ配信をしたABEMAの北野雄司エグゼクティブ・プロデューサーも「才能と可能性を持った素晴らしいニュースターが出てきた。ローチとの世界戦に向けて放映料を確保しておかねばならないかも(笑)」とその堤のスター性を称えた。視聴数はおよそ41万件前後だった。100万を軽く突破する井岡には、遠く及ばなかった。観客数は1562人。井岡の世界戦中止が響き、後楽園ホール並みの人しか集客はできなかった。だが、2024年の大晦日に、それらのショックを振り払う井岡の”後継者”が生まれたことは間違いない。 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)
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