下落相場の心配や不安も軽減 億り人・おけいどん氏が考える「高配当株・増配株」投資のメリットとデメリット
2024年からスタートした新NISAをきっかけに株式投資に挑戦している人も少なくないだろう。投資初心者には株主優待や配当狙いといった「頻繁に売買しない投資方法」が好まれやすい。億り人のおけいどん(桶井 道)氏も配当投資家のひとり。高配当株・増配株を長期保有する「ぐうたら投資」でコツコツと資産を増やし、今では1.8億円もの資産を築くまでになった。 【図解】高配当株と増配株の違いがわかるイメージ図
高配当株・増配株にはどういったメリット・デメリットがあるのか、おけいどん氏の新刊『おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』より紹介する。
「ぐうたら投資」の原則 高配当株・増配株を狙え
個別株といっても、やみくもに狙ってはいけません。ある条件があります。それは「高配当株・増配株」を狙い撃ちすること。「ぐうたら投資」の根幹にもかかわる大原則なので、それぞれ詳しく説明しましょう。 ●【大原則1】高配当株を狙う 企業は株主に対して、原則年に1~4度、配当金を出します(配当金を出さない企業もありますが、「ぐうたら投資」では投資対象としませんので割愛します)。 配当金の原資となるのは、企業が事業で稼いだ利益です。つまり、投資してくれた株主に対して、お礼として投資額に応じて(比例して)配当金を出すということです。 株主が投資した金額に対して、高い比率で配当金が支払われる株式(銘柄=企業)が高配当株です。 たとえば、株価が1万円の銘柄に投資して300円の配当金が支払われる場合、配当利回りは3%(配当金300円÷株価1万円×100)となり高配当株です。 これが、10円の配当金に留まるなら、配当利回りは0.1%(配当金10円÷株価1万円×100)ですので高配当株とは言いません。 ●【大原則2】増配株を狙う 増配とは、配当金が前年より増えることをいいます。つまり、増配株とは配当金が前年より増える株を指します。 とはいえ1~2年程度の増配では増配株とは言いません。増配株の良さは長期保有によって、自分の投資額(簿価)に対する配当利回りが上がっていくことです。 たとえば、増配株で株価が1万円の銘柄に投資したとします。1年目の配当金が150円なら、配当利回りは1.5%(配当金150円÷株価1万円×100)です。2年目に10%増配となり配当金が165円なら自分の投資額に対する配当利回りは1.65%(配当金165円÷株価1万円×100)です。 毎年10%ずつ増配されたとしたら、10年目に配当金は354円となり、自分の投資額に対する配当利回りは3.54%(配当金354円÷株価1万円×100)となります。 増配株は、投資時にたとえ高配当ではなくとも、長期保有で高配当化していくことがわかります。よって、現在の配当利回りだけで判断しないことが大切です。