「バファエールいい曲ですね」引退セレモニーを固辞したはずのオリックス比嘉幹貴のユーモアあふれるラストゲーム【オリ熱コラム2024】
最後の登板を終えた比嘉は「『山川から行くぞ』っていう連絡が(ブルペンに)来ていたので、それは嫌だなと思いながら(笑)。でも、なんとかアウト取れたらいいなと思いながら投げてましたけどね。多少不安もあったんですけど、まあある程度自分の球が流れてたんで、そこは良かったかなと思ってますけどね」と安堵の表情を浮かべていた。 まだ出来るんじゃないか?という声に対しては「いや、そんなこともなくて。実際にブルペンではちょっと膝が痛くて。でもなぜか(マウンドに)上がったら痛みが消えてって感じなんすけど、またきっと明日も痛くなると思うんで。いつもそんな感じなんでね。そう言ってくださるのはありがたいですけど、まあ毎日投げないとプロ野球はダメなんで、そこに関してはやっぱちょっと厳しい」と引退の決断について話した。 、引退を決断したのは「9月に入ってから」。後輩たちには「怪我しないでって感じですね。怪我せずに技術で悩める状態が毎日あるのが大事かなと。あと、すごいチャンスをくれるチームだと思ってるんで、一軍の選手はずっとコンスタントに結果を残せるように、体と技術を向き合いながら頑張ってほしいと思ってます」と後輩たちにエールを贈っていた。 15年のプロ野球生活について「27歳でドラフトされて、28が新人の年で、太く短くみたいな、サトタツ(横にいた佐藤達也広報)みたいな野球人生を描いてたんですけど、ぱっと稼いでみたいなね。細く長くやったかなみたいな野球人生ですね。本当いろんな指導者の方とかに、もう監督は5人ですかね、 使っていただいて。先輩や同年代も後輩もほんとみんないい人ばっかりで、ほんとやりやすい環境でやらせてもらって。15年間、人にはすごい恵まれたかなと思ってます」と振り返った。 T-岡田や安達とともに2014年の“10.2決戦”を知る選手が引退することとなったのは寂しいが、最後に全力投球した比嘉の姿を焼きつけた若い選手たちが再び強いバファローズを作ってくれるはずだ。 取材・文●どら増田 【著者プロフィール】 どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。
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