機械学習ライブラリ「PyTorch」、公式の「Anaconda」チャンネルを廃止へ
「Python」の機械学習ライブラリ「PyTorch」が、公式の「Anaconda」チャンネルを廃止するとのこと。「Anaconda」はデータサイエンス向けPython/Rパッケージのディストリビューションで、そのパッケージ管理システム「conda」は広く使われているが、機械学習で人気を集める「PyTorch」が簡単にインストールできなくなる影響は小さくなさそうだ。 【画像】「conda」パッケージと「wheel」パッケージのダウンロード比率 開発チームによると、「PyTorch」パッケージの総ダウンロード数のうち「Anaconda」conda)からのものは5%に満たないにもかかわらず、総メンテナンスコストの半分以上を占めているのだという。「Python」の主流パッケージ管理システム「pip」とは異なるパラダイムで「Anaconda」パッケージを管理するのは負担が大きく、ビルドにも多くのハードウェアリソースと時間を要する。また、ユーザーにとっても双方のビルドが常に一致しないのは混乱の種となっていた。 そこで、「Anaconda」のデフォルトパッケージに依存する「Anaconda」パッケージは公開が停止されることになった。「Anaconda」の「PyTorch」チャネルで公開される最終バージョンは「2.5」となる。 開発チームは今後、リソースを「wheel」形式パッケージの維持・改善に集中する考え。これからも「Anaconda」で「PyTorch」をインストールしたい場合は、「download.pytorch.org」や「PyPI」から公式のWheel形式パッケージを用いるか、コミュニティ主導のリポジトリ「conda-forge」からパッケージを入手する必要がある。
窓の杜,樽井 秀人