シカゴが語るブラス・ロックの真髄、ジミヘンやマイルスとの交流、日本への特別な想い
8年ぶりの来日に向けて
─何度も来てくださっている日本では、1972年に『Live In Japan』という素晴らしいアルバムを録音しましたが、あの時のことについては何が記憶に残っていますか? ジェイムズ:日本ではたくさんの素晴らしい経験をしたよ。シカゴとしてだけでなく、他のアーティストと一緒のこともあった。『Live In Japan』を作ったのはとてもタイムリーな年だった。それ以前にも来日していたが、日本の観客は音楽が本当に好きな人たちばかりなんで、こちらもやっていて楽しいし、エネルギーと熱気がすごいんだ。シカゴのステージ・パフォーマンスという意味で、日本でのライブの体験をレコードに残さなくては、というか、永遠に残す価値があると思ったんだよ。 ─Blue Note Festival で同じ日に出演するスナーキー・パピーについてはご存じですか? 彼らはTOTOとも交流があるし、若い頃のあなたがたと志に似たところがあるグループなのですが。 ジェイムズ:もちろんさ。モンスターみたいな才能溢れるミュージシャン集団だ。確か、ノース・テキサス大学の学生を中心に出来上がっているんだよね? ─ええ、その通りです。 ジェイムズ:何度かメンバーチェンジをしているようだが、全員素晴らしいテクニックと才能を持っている。まだライブで観たことがないので、うまくチャンスがあれば彼らのステージもぜひ観たいと思っているよ。他のラインナップもナイル・ロジャース、日本のトランペット奏者……名前を思い出せないんだが、かなり彼も話題になっていて……。 ─黒田卓也ですね? ジェイムズ:そうだ。彼の演奏も聴きたいと思っているよ。あと、ジョージ・クリントンも出るよね。なかなかバラエティ豊かな素晴らしいラインナップだ。そんなフェスに出演できるのはとても光栄だし、何よりまた日本のオーディエンスの前で演奏できるのが楽しみだ。東京ではBlue Note Festival、大阪は単独公演。たくさんある国の中でも日本は一番好きな国の一つさ。ちゃんと音楽を聴いてくれる観客なんだ。何よりも、音楽を理解している。そういう意味で、かなり洗練されたリスナーだ。だからいつだって繋がりを感じられて、楽しいんだよ。 ─最後に、日本のファンも楽しみにしている来日公演の見どころを教えてください。 ジェイムズ:これだけは言えるよ。今のシカゴのラインナップがバンド結成以来、おそらく最高のラインナップだ。今がピークだと信じている。全神経をフル回転させて、エネルギッシュなステージにするつもりだ。僕ら、それが得意なんでね。ボーカルもホーン隊もリズムセクションも、全員が熟練のベテラン・ミュージシャンばかり。シカゴのライブにトリックやごまかしは一切ない。アルバムの曲が1音1音すべて生演奏で再現される。今のこのベストな状態のシカゴで日本に戻れることを、本当に嬉しく思っているよ。 最近のライブでも本当にパワフルな演奏をしている。50年以上続けているわけだけど、疲れるどころか、毎晩楽しくて仕方がないんだ。観客も本当に楽しんでくれているのがわかるし、音楽は一向に古くならない。僕らの演奏もエネルギッシュそのものだ。今、ようやく日本に帰れること、しかも東京ではBlue Note JAZZ FESTIVALの一環ということで、ものすごく楽しみにしているんだ。 --- Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2024 ⽇程:2024年9⽉21⽇(⼟)、22⽇(⽇) ※シカゴは9月22日に出演 開場12:00 開演13:00 (両⽇ともに) 会場:有明アリーナ 出演: ▶︎9⽉21⽇(⼟) NAS PARLIAMENT FUNKADELIC feat. GEORGE CLINTON MISIA & ⿊⽥卓也BAND TANK AND THE BANGAS .ENDRECHERI. ▶︎9⽉22⽇(日) CHICAGO MARCUS MILLER NILE RODGERS & CHIC SNARKY PUPPY CANDY DULFER シカゴ大阪単独公演 2024年9月24日(火)グランキューブ大阪 シカゴ 『ライヴ・イン・ジャパン』 2024年9月18日発売 『シカゴ・アット・ジョン・F・ケネディ・センター 1971』 2024年10月23日発売(輸入盤:9月27日発売)
Masatoshi Arano