戦後革命を起こした1949年の名車 22選 欧米の「未来」を描いたクルマたち
ボンド・ミニカー
戦後、自動車はさまざまな方向に進化していったが、ローリー・ボンド氏は小型軽量のミニカーこそが進むべき道だと考えていた。 英国で燃料配給制がまだ実施されていた当時、排気量122ccのバイク用エンジンのおかげで40km/l以上の低燃費を実現し、また三輪車とすることで価格も低く抑えた。アイデアは悪くない。 困ったことに、ミニカーが登場したのは徐々に華やかさが求められていた時期で、モーリス・マイナーなどのライバルは四輪車だった。 その結果、ミニカーは奇妙な存在として認知されるにとどまったが、後のスエズ危機による燃料不足の時期には人気を博し、1965年まで生産された。
ブリストル401
ブリストルは航空機メーカーらしく、厳しい基準で401を開発・生産した。風洞実験によりボディ形状を改良し、当時最も空力特性に優れたクルマの1つであった。 2.0LのBMW製直列6気筒エンジンの出力は85psに過ぎなかったが、ブリストル401では最高速度97マイル(156km/h)を記録した。 生産台数は611台に達し、ブリストルの中でもかなり多い部類に入る。また、アルミ製ボディと厳格な品質管理により非常に高い生存率を誇り、現在ではクラシックカーとして珍重されている。
バックラーMkV
デレク・バックラー氏は英国における「キットカー」文化の起点に立つ人物で、バックラーMkVは自作キットまたは完成車の両スタイルで販売された。 購入者が自宅でキットを組み立てれば税金を免れるし、自分で作るのが面倒であれば工場出荷の完成車も手に入れられる。いずれも1172ccのフォード製エンジンで軽快なパフォーマンスを発揮する。 「MkV」という車名から同社5番目のモデルかと思われるかもしれないが、実際には同社初のモデルである。創業者のバックラー氏は、購入者に実績のない企業と思われたくなかったため、あえてこのような名前を付けたのだ。 バックラー氏はMkV向けのチューニングキットも販売し、モータースポーツに挑戦するドライバーを支えた。