北海道秋サケ過去最低予測 来遊25%減1703万尾
北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場(恵庭市)は21日の道連合海区漁業調整委員会で、今年の秋サケ来遊予測値(沿岸漁獲と河川捕獲の合計)を、前年実績比24・5%減の1702万9000尾と公表した。過去最低の来遊だった2017年の1737万尾を下回る予測となった。
今年度の秋サケ親魚確保と適正利用を図るための実施方針の審議で、同水試さけます資源部の卜部浩一研究主幹が説明した。昨年回帰した3年魚が少なく、今年主群の4年魚の回帰が見込めないため厳しい予測となり、太平洋側のえりも以東・以西海区を中心に深刻な種卵不足も懸念される。
昨年の全道来遊数は前年比33%減の2257万尾。予測値の3483万尾を35%下回った。漁獲量については前年比3割減の5万3000トン(道漁連集計)だった。
昨年の年齢別来遊数は、4年魚(19年生まれ)が前年比35%減の1552万尾。5年魚(18年級)は499万尾と前年を上回ったものの、平成以降で4番目に少ない。3年魚(20年級)は200万尾で、過去10年平均の75%にとどまった。4年魚、3年魚とも全海区で前年を大きく下回った。
算出された今年の予測値について卜部研究主幹は「増殖事業の成果が表れ始めた1970年代後半と同水準の極めて深刻な状況」と危機感を示した。
海区別の来遊予測は次の通り。昨年、高水温で来遊が大きく減少したえりも以西のみ前年を上回るが、過去最低水準に変わりない。全体の7割を占めるオホーツクはじめ、全道で厳しい予想となった。 (単位:千尾) 海区 24年予測 前年実績 前年比 オホーツク 11,480 15,956 72% 根室 2,251 2,770 81% えりも以東 1,135 1,378 82% えりも以西 531 440 121% 日本海 1,632 2,022 81% 合計 17,029 22,566 76%