年初来のパフォーマンスは「S&P500」が良かったが、これからはどうなる?
8月5日に日経平均株価が前日比4451円(12.40%)も下落したことを持ち出すまでもなく、株式投資には価格下落のリスクがある。日経平均株価のように225銘柄に分散して投資していたとしても1日で12%以上もの資産の目減りをしてしまうものだ。資産運用は、このようなショックを乗り越えて、価格が下落した分以上に最終的に上昇する資産を選んで投資することでしか成功を得られないことを改めて確認させられた。今年1月から新NISAが始まり、それを機に、資産形成を始めた人も少なくないだろう。年初から8月下旬までの主要な資産クラス別インデックスファンドの値動きを振り返って、今後の運用資産について考えてみたい。
低コストのインデックスファンドとして人気の高い「eMAXIS Slim」シリーズの主要ファンドの基準価額を振り返ってみた。グラフにして一目でわかるのは、海外株式ファンドの値動きが、ほぼ同じような動きになっていることだ。年初から7月上旬まで緩やかに上昇し、7月11日にピークを付け、そこから急落。8月6日には深い谷を作る動きになった。よく見ると、「国内株式(日経平均)」は年初から3月までは他を上回る上昇率を記録したものの、その後、「米国株式(S&P500)」や「全世界株式(オール・カントリー)」に抜かれてしまう。そして、7月ピークから8月5日までの株価下落では、他のインデックスファンドを上回る25.48%という大きな下落率となった。
「米国株式(S&P500)」のパフォーマンスの高さは群を抜いている。同インデックスファンドは、年初からピークで35.14%も値上がりした。そして、8月6日までの下落率は17.44%と、「国内株式(日経平均)」と比較すると小さな下落率になった。ピークまでの上昇率が大きく、かつ、下落時の下落率が小さかったことで、8月27日時点の基準価額は前年末比20.82%高い水準をキープしている。