年初来のパフォーマンスは「S&P500」が良かったが、これからはどうなる?
この「米国株式(S&P500)」と連動するように、やや低いパフォーマンスを演じているのが「全世界株式(オール・カントリー)」と「先進国株式」になる。「全世界株式(オール・カントリー)」と「先進国株式」は、ほぼ同じ値動きになっている。「全世界株式(オール・カントリー)」の年初来のピークまでの上昇率は30.54%、ピークから底値までの下落率は16.84%だった。「先進国株式」は、ピーク時に31.34%まで上昇し、下落率は16.67%だった。上昇率と下落率の関係から、今年8月までのパフォーマンスでは「先進国株式」の方が良かったということになる。
また、「新興国株式」は、先進国株式に比べるとパフォーマンスが冴えない。ピークまでの上昇率は25.72%にとどまり、ピークから底値までの下落率は17.81%と「米国株式(S&P500)」を上回る大きさになった。ボラティリティ(価格変動率)が大きな割には、ピークのパフォーマンスが出ないという、良くないパフォーマンスになっている。この点では、「国内株式(日経平均)」は下落率の深さで「新興国株式」よりもより悪いパフォーマンスという評価になりそうだ。
このように、今年年初からの動きを振り返ると、海外株式に投資するインデックスファンドは、パフォーマンスの面からは「米国株式(S&P500)」に勝るものはないということになる。わすか8カ月程度のパフォーマンスで長期のパフォーマンスの内容を類推してしまうことはできないが、現在のところ公募投信で最大の純資産残高を集めているのは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」になっているのは、このパフォーマンスを評価した結果といえるだろう。
このような株式インデックスファンドと比較すると、「リート(不動産投信)」や「債券」は、価格がピークになるタイミングからして異なる動きをしている。「国内リート」のピークは5月7日で3.02%高、「先進国リート」は7月17日に15.45%高になっている。いずれも株式と比較するとピークの山が低い。そして、「国内債券」のピークは1月15日で0.79%高、「先進国債券」は株式と同じ7月11日にピークをつけて11.94%高だった。「先進国リート」と「先進国債券」は、株式と同時期にピークをつけている。