「成人は6時間以上」厚労省が睡眠ガイド作成、日本人の睡眠時間は33カ国で最低
厚生労働省は、睡眠時間の目安などを示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をまとめました。 睡眠時間について、成人は6時間以上、小学生は9~12時間、中高生は8~10時間を推奨する一方で、高齢者は寝床にいる時間が8時間以上にならないよう求めています。この内容について中路医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
厚生労働省がまとめた「健康づくりのための睡眠ガイド2023」とは?
編集部: 厚生労働省がまとめた「健康づくりのための睡眠ガイド2023」について教えてください。 中路先生: 厚生労働省は、推奨する睡眠時間や生活習慣を世代ごとに示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をまとめました。 健康的な睡眠のための指針については約10年前にも一度まとめられていましたが、その後も睡眠による休養を十分とれていない人が増えているなどの背景があり、今回新たに作成されました。 睡眠ガイドでは、成人と子ども、高齢者の3つの世代に分けられています。成人に推奨する睡眠時間は6時間以上が目安、子どもについては小学生が9~12時間、中学生・高校生が8~10時間を目安にすることが推奨されています。 一方、高齢者については、寝床にいる時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保すべきことが示されています。睡眠ガイドには、最近の研究で明らかになった内容も盛り込まれていています。 例えば、成人と高齢者は「目覚めた時に体が休まった」と感じる睡眠休養感が重要で、アメリカでおこなわれた調査では「40~64歳の世代は睡眠時間が5時間半未満で睡眠休養感が低いほど死亡リスクが高まる」という結果が紹介されています。 この睡眠休養感を高めるためには、就寝間際に夕食を摂ることや、朝食を抜くなどの習慣改善が挙げられています。 子どもに関する研究については、「睡眠不足で肥満リスクが高くなったり、成績が低くなったりする」という報告が記載されています。 この対策として、小学生から高校生までは1日に1時間以上体を動かし、ゲームやスマートフォンの利用時間を2時間以下にするなどの生活習慣の対策をおこなうことが推奨されています。