松岡修造さんが考える「日本の子どもの弱点」とは? 最後までやり抜く力を育てる親の態度
夢に向かって自分で考え、最後までやり抜こう
「スポーツによってメンタルが鍛えられる」と聞くと、「ハードな練習によって根性がつく」ということだと思われがちですが、僕の考えは少し違います。 「自分の目標や夢を実現するには何が必要で、どうすればいいのか」を自分の頭で考え、行動に移していくこと。やり抜いたときに得られる達成感と自信。それこそが、メンタルを強くしてくれるのです。 もちろんスポーツでなくても構いません。勉強でも習い事でも、自分が決めたところまで「やり抜く」ことができれば、強い心が育まれます。強い体を育むという点や、「この技術を身につける」などと目標を立てやすいという点では、スポーツに少しアドバンテージがあるかもしれません。 そう言われても、「うちの子は、体を動かすのは得意じゃなくて」という親御さんもいらっしゃるでしょう。そんな子には、できるだけたくさんの種類のスポーツを経験させて、向いているものを見つけてあげたり、指導法を変えてみたりするのがいいと思います。 ただ、スポーツをすることがすべてではありません。スポーツは、「応援する」のも楽しみの1つ。 僕はプロテニス選手でしたが、その頃から人の応援をするのが大好きでした。特に大きな大会では、選手たちはそれぞれ、人生をかけて戦います。そんな必死な姿を観たら、自然と一所懸命に応援したくなるんです。
本気で応援した人は、自分もがんばれる!
応援の醍醐味は、選手と一体化できることです。一所懸命に応援すると、選手が金メダルをとったら自分のことのようにうれしい。その感動をきっかけに、スポーツに興味がわく可能性もありますし、自分も何かに挑戦してみようという気になるかもしれません。 大舞台のために、いかに努力をして、葛藤してきたか。そんな選手たちが本気で戦う姿を目にすると、「自分もがんばろう!」という気持ちになるものです。 幼い子どもにだって、きっと伝わると思います。そう――。選手を「がんばれ!」と必死に応援した言葉や心は、自分に返ってくるのです! そうすると、親が「何かスポーツをしたら?」とか「勉強しなさい!」などと言わなくても、子どもの体は自然と動いて、がんばれる子になる。 子どもは元気で笑顔が一番。スポーツであれば、お母さんが笑顔で一緒に遊んであげることで、自然とそうなります。そして、お母さんが笑顔でいられるためには、お父さんの協力も必要。お父さんも、がんばれ!
松岡修造(タレント)