「ベルギーでは15歳で月40万円もらえる」“高校サッカーの天才たち”が次々に海外流出している問題…Jリーグは危機感を持つべき?「マンUも日本人スカウトを雇用」
ベルギー1部・シントトロイデンでアカデミー部門責任者を務める高野剛さんのインタビュー。高卒若手の有望選手たちがJリーグを経由せずに海外へ”流出”している現状について聞いた。【全2回の前編/後編も公開中】 【写真】「Jリーグをスルー、海外流出した」“高校サッカーの天才たち”がこんなにも…写真ですべて見る ◆◆◆ 日本人選手の欧州移籍に新たなトレンドが生まれようとしている。 今年6月、プレミアリーグのサウサンプトンが日章学園の高校3年生・高岡伶颯と仮契約を結んだと発表した(渡英は来年の予定)。高岡は複数のJリーグクラブからオファーを受けていたが、それを断っての選択である。 近年、高校サッカーのトップタレントがJリーグを経ずに渡欧するケースが増えている。 2022年チェイス・アンリが尚志からドイツのシュツットガルトへ旅立ち、2023年福田師王が神村学園からドイツのボルシアMGへ加入。今年は吉永夢希が神村学園からベルギーのゲンクに入団した。Jリーグ入団前の高校生に、欧州の名門クラブから直接声がかかる時代になったのである。 なぜ日本の高校生がこれほど高く評価されるようになったのだろう? この問いをぶつけるのに最適な人物がいる。ベルギー1部・シントトロイデンでアカデミー部門責任者を務める高野剛だ。 高野は2012年にプレミアリーグ・サウサンプトンで通訳やコーチを務め、2018年にアジア人として初めてイングランドサッカー協会公認プロライセンスを取得した。現在はシントトロイデンからタレントを輩出するためにさまざまなプロジェクトを手がけている。
「日本人はチームのお手本になれる」
高野はこう説明する。 「過去の日本人選手たちの活躍によって、日本人選手は投資の計算が立ちやすいと見られているんです。日本人は1、2度の失敗くらいでめげず、自己を律して自分を高め続けようとするじゃないですか。でも世界の他の国ではそれが当たり前ではないんですよ。『階段を登れる仕組みをつくったら、日本人選手はガムシャラに登っていく』ということにヨーロッパの人たちは気がついたんです。 また、チーム内のお手本になれることも大きいです。日本人選手は練習に万全の準備で臨み、周囲にプラスの影響を与えられる。それも高い評価につながっているんです」 シュツットガルトのチェイス・アンリは渡独から2シーズンはセカンドチームでプレーしていたが、今季ついに開幕戦でトップデビュー。第2節で初めて先発に起用され、9月17日のレアル・マドリー戦でチャンピオンズリーグデビューも果たした。いつ日本代表に呼ばれてもおかしくない存在になりつつある。
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