公明、三つを失い再出発 前途多難の斉藤体制【解説委員室から】
参院選、都議選も苦戦必至
公明・創価学会は、衆院選、参院選、東京都議選を「三大選挙」と位置付けて特に重視し、全国の組織をフル回転させて、集票活動に励んできた。来年夏には、残る参院選と都議選が控えている。その前には、来年1月召集の通常国会がある。 連立政権が少数与党となった現在、予算や政策で野党に譲歩せざるを得ず、公明党が政権内で存在感を発揮するのは一層難しくなった。 そして、両選挙でも「政治とカネ」が争点の一つになれば、有権者の多くは衆院選で、公明党が非公認を含め、裏金議員に推薦を出したことを思い出すに違いない。棄損した「看板の修理」は容易ではない。公明党は、新たな「党の顔」となった斉藤代表の下、参院選と都議選を戦うことになるが、苦戦は必至だろう。 【筆者略歴】 高橋 正光(たかはし・まさみつ) 1986年4月時事通信社入社。政治部首相番、自民党小渕派担当、梶山静六官房長官番、公明党担当、外務省、与党、首相官邸各クラブキャップ、政治部次長、政治部長、編集局長などを経て、2021年6月から現職。公明党担当として、連立政権の発足を取材。