東武「伊勢崎線の旧業平橋駅」から大変貌の今「とうきょうスカイツリー」の旧駅名が「業平橋」さてその前は?
■駅長が語る駅の日常 浅草駅管区副管区長でとうきょうスカイツリー駅の荒木健二駅長は1988年入社。羽生や久喜の駅長を経て2023年10月に着任した。駅の利用者の特徴については「最近はインバウンドのお客さまの姿がかなり目立つようになりました。スカイツリータウンや東武の本社などへの通勤利用も多いです」と語る。 歴史があるだけに地域密着の駅の一面もある。「地元の方々にはお祭りのときに一緒に参加してもらっているほか、駅が管理する『安全地蔵』も掃除などをして地元の方が守ってくれていました」(荒木駅長)。
駅長が言う安全地蔵は北側の高架下に安置されていたが、工事のため一時的に向島の牛嶋神社に移されている。東京スカイツリーにとっても、起工式や竣工式の際の安全祈願が牛嶋神社の宮司によって執り行われるなど、なにかとゆかりのある神社でもある。 【写真の続き】工事中のいましか見られない光景。「?」→「?」→「業平橋」→「とうきょうスカイツリー」と名称が変遷した駅の当時の様子も ■変わり続ける駅周辺 東武鉄道は12月3日、下り線の切り替え工事に伴い、2025年3月1日の19時20分ごろから終列車まで浅草―曳舟間を運休すると発表した。特急列車は浅草―北千住間を運休し、北千住駅での折り返し運転とする。
地上を走る下り線を上り線同様に高架化することで東武鉄道本社東側の桜橋通りと交わる「伊勢崎線第2号踏切」を廃止する。同社によると、「下り線の新ホームの使用開始時期については未定」といい、上下のホームが離れた場所にある状態はしばらく続きそうだ。 とうきょうスカイツリー駅にはすべての特急列車が停車する。将来的に駅全体が東側へ移れば、押上駅との距離も近くなる。押上駅には羽田空港や成田空港から直通する列車が発着しており、とうきょうスカイツリーで日光・鬼怒川エリアへの特急列車に乗り継ぐ利便性が向上しそうだ。
荒木駅長は「スカイツリーのおひざ元の駅なので、まず、ここへ来て楽しんでもらって、それから特急で日光・鬼怒川エリアにも足を延ばしてもらえれば」と話す。 吾妻橋、浅草、業平橋、とうきょうスカイツリーとそれぞれの時代の東武鉄道の戦略によって名前を変えてきた駅は、また新たな姿に生まれ変わろうとしている。
橋村 季真 :東洋経済 記者