東武「伊勢崎線の旧業平橋駅」から大変貌の今「とうきょうスカイツリー」の旧駅名が「業平橋」さてその前は?
1931年、現在の浅草駅である浅草雷門駅まで隅田川を越えて延伸した際に浅草駅から「業平橋駅」へ名称が変わり、以後80年にわたってこの駅名を名乗ることになる。 ■貨物ヤードと工場があった 伊勢崎線と北十間川に挟まれたエリアにはかつて、東武鉄道本社や貨物ヤード、生コンクリート工場などが広がっていた。舟運が盛んだったころはドック(船渠)もあったが、のちに埋め立てられた。 1990年には浅草駅に入線できない10両編成に対応する行き止まり式の地上ホームが設けられ、押上駅への地下連絡通路も開設。ラッシュ時は当駅始発着の列車が運転された。2003年に押上経由で半蔵門線と相互直通運転が開始されるといずれも廃止された。
一帯はいまスカイツリーやソラマチなどからなるスカイツリータウンとなっている。往時を伝えるものは敷地内に建つ「生コンクリート工場発祥の地」の記念碑くらいかもしれない。東武の本社ビルは北東に移転し、本線との間に留置線がある。 エリアの大改造の次は、駅を含む線路の大掛かりな工事が進行している。2018年1月に墨田区を施行者とする事業区間約900mの連続立体交差事業が着工した。高架化によって渋滞の原因となっていた踏切をなくすほか、駅のホームを約150m東側に移設する計画だ。
2022年11月に浅草方面へ向かう列車が発着する上り線ホームのみが東側に移設され、改札も分離された。2024年12月時点では、下り線のホームは従来の場所に残り、北千住方面は地上へ下っていく。将来的には下り線ホームも東側へ移転し、入出庫線と地上にある留置線は新しいとうきょうスカイツリー駅の北側で高架になる予定だ。 東側の地下には都営地下鉄浅草線・京成押上線、東京メトロ半蔵門線の押上駅がある。京成押上線は1960年に地下化された。半蔵門線は、東は同駅を介してスカイツリーラインの北千住方面、西は東急田園都市線と相互直通運転をしている。枝線のようになった東武の押上駅―曳舟駅間もスカイツリーラインの一部だ。押上駅には「スカイツリー前」という副駅名が付いている。