母を連れてはとバスツアーに行ってみた!座席はきみまろ公演状態。程よい疲れの旅の最後には不思議な一体感が
独身、フリーランス。世間から「大丈夫?」と思われがちな40代の小林久乃さんが綴る「雑」で「脱力」系のゆるーいコラム。読んでいるうちに、心も気持ちも楽に軽くなる……。ただ「手抜き」のテクニックを勧めるだけではなく、年齢を重ねたことで得た「脱力」による省エネによって、次へのエネルギーを担保していこう! というのが、本企画の主旨。第9回は「バスツアーはおばさんに優しい」です。 【写真】はとバスツアーで、母と一緒に食べた食事。天ぷらにお刺身も * * * * * * * ◆黄色い鳩のバスツアー 12月上旬に母が上京してきた。東京近郊、あそこもここも行きたいと話しているうちに 「鎌倉に行きたい」 と、リクエストが。母が出かけたのはもう40年以上前だそうで、奇跡的に紅葉の見頃となった時期に出かけたいという。 私も鎌倉は一人で、もしくは海岸沿いのスチールロケなどで、何度も出かけている大好きな街だ。ただ75歳、高齢の母をアテンドとなるとわけが違う。タクシーや公共交通機関を使って行くのか、久しぶりすぎる私の危険な運転で、レンタカーでも借りようか。どの案もピンとこない。ふと(こんなときに運転ができる夫がいたらいいのだろうか……)と、いらぬ妄想を振り払い、プランを考える。ふと、バスツアーはどうだろうとひらめく。あの黄色い鳩のツアーだ。 さっそく母に提案をすると、快諾。ひさびさにバスツアーに参加したけれど、これが楽しく、なんなら次回はおばさんの友人同士で、もしくは一人で参加したいと思うまでに至った。いったい何が中年の心を掴んだのか、情報を共有したい。
◆一人&当日参加、OK! まずバスツアーの選び方から。 これはかなりの種類があった。提供している会社によって数、内容の差はあるけれど、検索していると気が遠くなってくるので、あらかじめ目的地に沿って内容を絞ったほうがいい。私は「鎌倉 ツアー 鶴岡八幡宮」でヒットしたものを参考にした。 すると私と母の申し込みを待ち構えていたような、鎌倉日帰りツアーを発見。コースは朝8時に東京駅集合→鶴岡八幡宮→昼食→鎌倉の大仏と長谷観音→江ノ島という流れで、17時すぎには都内に到着をして、9000円ほど。まさに鎌倉いいとこ取りのバリューパックではないかと、ネットから申し込んだ。 検索していて思ったのはさすが老舗のバスツアー会社だけあって、かゆいところに手が届くような種類も多かった。例えばこれからのシーズン、ご来光が拝める車中泊タイプのもの。元旦の太陽を見ることに興味はあっても、混雑と交通手段を考えると気が引けるが、ツアーなら心配要素が減る。その他、バスに座ったまま1時間程度で、東京の観光名所をぐるっと一周してくれるタイプもあった。どれもネット申し込みなので、空きがあれば当日参加ももちろんOK。 実は私、編集者という一面も持ち、職業柄なのか仕切ったり、喋ったりするのは得意である。これまで旅行や飲み会の幹事をつい引き受けてきたけれど、40代に入ってから、私生活での仕切り屋発揮は控えるようにしている。 当たり前のように「よろしく!」と人集めを頼まれること。加えて参加者から「ちょっとさあ……」とクレームが出てくることに、心身がストレスを感じるようになってきたからだ。仕事中のストレスは耐えられるけど、私生活まで感じることはないだろうと、我が身を守るために決めた。せめて幹事は持ち回り制でお願いしたい。 ただバスツアーにはこのストレスがゼロ! タイムスケジュールも、大半のトラブルも、参加者確認もすべてツアー会社が行ってくれる。元仕切り屋からすると、それだけでもありがたい!!