新型コロナ専門家会議 脇田座長らが会見(全文1)オーバーシュートが起こり得る
もっともっと周知・啓発の必要性がある
それから3つ目は、今まで何度も申し上げている3つの条件が同時に重なった場を避ける取り組みの必要性について、もっともっと周知・啓発の必要性があると思って、それもお願いしたいと思います。 それから、地方公共団体、政府へのお願いの4つ目ですが、重症者を優先する医療体制の構築であります。感染拡大に備えて一般医療機関のうち、どの機関が感染者の受け入れをするかなど、あらかじめ、もう今から決めておくなど、準備が必要だと思います。また、この専門家会議としては、重症者を優先する医療体制へ迅速に移行するため、受診、入院、退院の方針を以下のように決めたいと思います。 まず1点目ですが、ここは重要なので読みます。1点目、受診、入院、退院の方針の1点目。重症化リスクの高い人、特に強いだるさ、息苦しさなどを訴える人、または高齢者、基礎疾患のある人については、早めに受診をしていただく。2番目。入院治療が必要のない軽症者や無症状の陽性者は自宅療養としていただく。ただし、電話による健康状態の把握は継続する。3番目、入院の対象を、新型コロナウイルス感染症に関連して持続的に酸素投与が必要な肺炎を有する患者、入院治療が必要な合併症を有する患者、その他、継続的な入院治療を必要とする患者とする。次は、症状が回復してきたら、退院および自宅待機にて安静し、電話による健康状態の把握は継続する。また、症状が軽い陽性者等が、高齢者や基礎疾患がある人と同居していて家族内感染の恐れが高い場合は、接触の機会を減らすための方策を検討する。具体的には症状が軽い陽性者等が宿泊施設等での療養を行うことや、同居家族が受診した上で、一時的に別の場所に滞在することなどであります。
教職員に風邪症状の場合、出勤させないよう徹底を
さて、学校等についてでありますが、教職員本人やその家族が罹患した場合、ならびに本人に発熱等の風邪症状が見られる場合には、学校へ出勤させないよう徹底してください。また、大学におかれましては、学生等に対し本提言に記載した感染リスクを高める行動を慎むよう、正確な情報提供や周知をお願いします。特に春休み期間に感染症危険情報が高い国・地域に、海外旅行や海外留学などで渡航した学生等が帰国する際などには、新たな渡航の慎重な検討や、一時帰国を含めた安全確保の対応方策の検討に加え、帰国して2週間は体調管理を行い、体調に変化があった場合には受診の目安を参考に、適切な対応を取るよう、学生等への情報提供や周知をお願いします。 さて今度は、市民および事業者の皆さまへのお願いです。もうすでに屋形船、スポーツジム、ライブハウス、展示商談会、懇親会等での発生が疑われるクラスターの発生が報告されています。私どもが再三申し上げている3つの条件が合う場所を避けることによって、多くの人々の重症化を食い止め命を救えますので、よろしくお願いいたします。 それから次は感染者、濃厚接触者に対する偏見や差別についてであります。感染者、濃厚接触者とその家族、この感染症の対策や治療に当たる医療従事者とその家族に対する偏見や差別につながるような行為は断じて許されません。誰もが感染者、濃厚接触者になりうる状況であることを受け止めていただきたいと思います。 さて次は、高齢者や持病のある方など、重症化リスクの高い皆さまへのお願いです。これまでは外出機会の多かった方におかれましても、今後は感染リスクを下げるよう注意をお願いいたします。特に共有の物品がある場所、不特定多数のいる場所などへの訪問は避けていただきたいと思います。 次に、高齢者や持病のある方に接する機会のある職業ならびに家庭の方へのお願いです。高齢者や持病のある方に接する機会のある医療、介護、福祉、ならびに一般の事業者で働く人は、いっそうの感染対策を行うことが求められます。発熱や感冒症状の確認、ならびに感染リスクの高い場所に行く機会を減らすことなどの対応が当分の間求められます。家庭内での感染の拡大はよく見られています。同居の家族、特にその家庭の高齢者を訪問される際には、十分な体調確認を行った上、高齢者の方と接していただくようお願いいたします。 【書き起こし】新型コロナ専門家会議 脇田座長らが会見 全文2に続く