「日本でこんなに人気になるとは…」韓国ドラマはなぜ世界的ヒット連発? 始まりは20年前「冬のソナタ」の熱狂 自信を持った制作陣、ネトフリも追い風に
韓国ドラマ制作社協会の裴大植(ペ・デシク)事務総長は「演出料や脚本、俳優の出演料の全てが値上がりし、業界全体の相場を押し上げている」と、予算確保が難しい放送局などの苦境を明かした。 動画配信サービスの巨額投資は、制作会社に映画並みの制作の規模や裁量を与える半面、課題も突きつけている。制作費の見返りに作品の知的財産権を渡さざるを得ないことが多く、二次的な収入が見込めないからだ。 ▽ほんろうされながら進化 最近は、その知的財産権の獲得に打って出て成功したケースも出ている。自閉スペクトラム症の弁護士が主人公の法廷劇「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」の制作会社は、大手の投資話を断って初期費用を自ら負担し、知的財産権を確保した。作品は大ヒットし、海外でのミュージカル化などでさらなる収益の拡大が見込まれている。 制作費の高騰に頭を悩ませるドラマ業界だが、裴事務総長は言う。「苦しい時期があってもいずれまた勢いを取り戻すでしょう。これまでも韓国ドラマはその力を作品で証明してきました」
外交や政治にほんろうされながらも市場の変化に柔軟に対応し、進化と挑戦を続けてきた韓国ドラマ。ロマンスにサスペンス、時代劇など多様なジャンルに挑み、ジェンダーや格差社会、いじめといった社会の暗部にも果敢に切り込んで支持を集めている。ネットフリックスに続き、アップルTVやディズニープラスなど動画配信大手各社がオリジナル作品の配信に乗り出した。世界を舞台に磨かれてきた韓流コンテンツに、私たちはこれからも熱い視線を注ぐことになりそうだ。