柔道の阿部“兄妹”同日金メダル快挙に世界も驚嘆「ハリウッド映画でもあり得ない物語」
さらに「母国の地で、妹の詩に続いて、兄の一二三が日本武道館で柔道の金メダルを獲得した。兄妹でホスト国の栄光に輝いた。8月に24歳になる一二三は妹が金メダルを取る可能性があることを知ったときのプレッシャーを『兄として負けられない』と冗談で語っていた。幸いなことに、負けなかった」と、兄の一二三の方にプレッシャーがあったことを指摘した。 ニューヨーク・タイムズ紙は、兄と妹のライバル心を快活なトーンでレポートした。 「阿部詩と一二三は、おそらく日本で最も人気のある兄妹のライバルだ。柔道のトップランカーである彼らは2017年の世界柔道選手権(詩はジュニア)に出場し、翌年には2人とも世界チャンピオンになった。2019年には詩が再びチャンピオンになり、一二三は3位になった。日曜日、2人は、それらの共同のコレクションにさらに大きなトロフィーを加えた。同時に五輪で金メダルを獲得したのだ」 同紙は、阿部の両親についても「父は消防士、母はカフェを経営している。詩と一二三の2人とも幼い頃に柔道を始め、お互いに競争心を高め合った。父親は二人のコンディショニングを手伝ってくれた」と詳しく紹介している。 そして兄妹の物語をこう続けた。 「妹の詩は、兄の成功を何年も追いかけた。彼女が5歳の時に柔道を始めたのは兄と一緒に練習したかったからだ。父親はピアノを習わせたかったようだが、彼女は柔道を続けた。高校時代には全国大会で優勝し、東京五輪への出場を目指していた。6月には『モンスターと呼ばれるくらい強くなりたい』と語っていた」 同紙は、アイルランドの柔道代表選手にもミーガン・フレッチャー、ベン・フレッチャーという姉と弟がいることを紹介。「阿部兄妹ほどの成績は収めていない」とした。 柔道の専門メディアである「Judo Inside」も「日本は理想的な兄妹を持った。日本武道館で2人の阿部が金メダルを獲得するという歴史的な出来事があった」と快挙を報じた。 同メディアは、兄の一二三に決勝で負けたマルグベラシビリのコメントを掲載。 「阿部は偉大なチャンピオンであり、金メダルにふさわしい。私は一歩一歩進んでいこうとした。決勝戦までこのプランで成功したが、何かが欠けていた」と、勝者の阿部に敬意を表していた。 さらに国際柔道連盟のホームページでは、同じ日に金メダルを手にするチャンスがあり、それを見事にものにした2人の快挙を称賛して「歴史的な日」と報じた。 「誰もが楽しい事実、記録や統計が好きだ。2021年7月25日は、互いに尊敬しあっている兄と妹が、チャンピオンになるためにともに高め合った機会を得た日として永遠のものになるだろう」と称賛している。 次のパリ五輪は2人ともに油の乗り切った年齢で迎えることができる。阿部きょうだいの物語は東京から始まったばかりかもしれない。