元ファンドマネジャーが明かす「この7月にとったプロの運用の手のうち」円高・株安をくらっても「ほぼ動じない」納得の理由
いちいち相場の上下にメンタルを動かされないためには「なるべく売買しない」に尽きる
私はドキドキしない資産運用をお勧めしています。これは農業的投資とも言い換えられるかもしれません。 資産運用というとギャンブルにも似てリスクを取って狩猟的に利益を追求する、というイメージがあると思います。確かに一部のヘッジファンドや市場の歪みを利用するアービトラージ系は売買頻度も高いのでそういった印象も間違っていません。 一方で私が実践している運用は、売買を避け、なるべく長くお金を寝かせて収穫を待つ、というのが基本スタイルです。シリーズ中にも書きましたが、資産運用のコツはなるべく長く市場にいることで、期待リターンを薄く広く積み重ねることで複利効果を体現することに尽きます。肥沃な土地(期待リターンが高い資産)を探し、いろんな種をまく(分散投資)ことで天候のリスクを避け、天変地異に逆らわない(流動性を持つことで保険にする)ことを念頭に運用をしています。 それでは皆様、次回までごきげんよう。ドキドキのない資産運用を祈念しています。
投資家・文筆家 澤田信之