最新の日産GT-R 2025年モデルは、年月を重ねてもたまらなく愛おしい1台だった 2000万円超の国産スポーツの魅力とは
熟成を重ねた日産自動車(以下、日産)の、スポーツカー「NISSAN GT-R」。最新の2025年モデルに小川フミオが乗った! 【写真を見る】新しいNISSN GT-R Premium edition T-specの全貌(19枚)
脳天直撃型快感
発売すると即完売。今も高い人気を誇るのがNISSAN GT-Rだ。今、乗るとどうなんだろう……という関心をもって、臨んだのがNISSAN GT-R Premium edition T-spec、2025年モデルのテストドライブ。はたして、まったく古びていない脳天直撃型快感を与えてくれるGTだった。 NISSAN GT-Rが最初に登場したのが、2007年。あまりの高性能ぶりは驚きだった。フェラーリやアストンマーティンのような、欧州のスポーツGTと違い、カッコいいんだか悪いんだかわからないボディも、キャラがたっていて独自の魅力。それは変わらない。 今回のPremium edition T-specは、23年7月に24年モデルとして発表されたもの。そのとき、各国で厳しくなっている法規制に合わせてノイズ対策が施され、同時に乗り心地も快適になった。 そもそもT-specの“T”はトラクションマスターの略といわれ、要するにパワフルな駆動力を4つのタイヤに出来るだけあますところなく伝えることを目指した設定がセリングポイントのモデルだ。 NISSAN GT-Rの2025年のラインナップは、「GT-R Pure edition」(¥14,443,000)にはじまり、頂点には「GT-R NISMO special edition」(¥30,613,000)と8モデルの展開。 Premium edition T-specは価格的にほぼ中間に位置し、走行性能もNISMOバージョンを上に頂つつ、メルセデスAMGやBMWのMモデル、ポルシェ「911」のスポーツモデルやマクラーレンの中間に位置するような走行キャラクターが特徴といえるだろうか。 2025年モデルの特徴は、エンジンのファイン(細かな)チューニングにある。ピストンリング、コンロッド、クランクシャフトなどに、従来GT-R NISMO Special editionのみに採用していた高精度重量バランス部品を採用したという。 工業製品はどうしても工作精度にバラつきがでるものだけれど、そのなかでもっとも出来のよいピストンリングやコンロッドなどを選んで組み付けているのだ。「レスポンスの精度を高め、さらに性能を磨き上げました」と、日産ではプレスリリースで説明する。 3799ccV型6気筒ツインターボエンジンは、419kW(570ps)の最高出力と、637Nmの最大トルクを発生し、6段デュアルクラッチ変速機を介して、前後輪を駆動する。これだけの大排気量エンジンは、だんだん珍しくなってきている。