「未来の移動手段はペダルにあり」ヨーロッパの自転車革命
ケーススタディ ー 各都市の自転車事情
1. コペンハーゲン、デンマーク: サイクリング革命をリード コペンハーゲンは、インフラへの投資に注力し、サステナブルな交通機関へ転換した「サイクリストの街」として広く知られています。市内には390kmを超える自転車専用道路が網の目のように整備され、安全性と利便性を確保しています。自転車の速度を感知し、できる限り赤信号を回避させる自転車にやさしい信号機(スマート信号機)や、日本でも企画展が開催される(※)など世界的に著名なアーティストオラファー・エリアソン氏がデザインした、自転車と歩行者専用の橋「サークルブリッジ(2015年)」などの革新的な橋の数々などもこの街のサイクリング文化に貢献しています。 コペンハーゲンの取り組みはこのようなインフラ整備だけにとどまらず、啓発キャンペーン、電動自転車への補助金、さらには学校での交通教育プログラムまで含まれています。 自転車を優先することで、コペンハーゲンはサステナブルな都市モビリティの世界標準を打ち立てています。 ※麻布台ヒルズギャラリー「オラファー・エリアソン展: 相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」2023年11月24日から2024年3月31日
2. アムステルダム、オランダ: サステナビリティの道を独走
オランダの人々の自転車への愛着は、都市計画に深く根付いています。 オランダの平坦な地形と整備された自転車のインフラが相まって、市民は主な交通手段に自転車を選ぶようになりました。1960年に始まり、世界初と言われる自転車のシェアリングサービス「 White Bicycle Plan」は交通事情を改善すべく、毎年20,000台の自転車を購入し、市民が自由に使えるようにするというしくみでした。このようなシェアリングサービスのほか、電動自転車の導入や補助金でのサポートにも積極的に取り組んでいます。他にもアムステルダム市の取り組みは、市内中心部の自動車通行禁止区域などの政策イニシアチブにまで及び、自転車は単なる交通手段ではなく、アムステルダムにおけるライフスタイルの一部となっています。