よかれと思ってやっている「部下の育て方」の盲点 「面倒を見すぎて独り立ちできない」問題を解決
要はわかりやすくその部下をみんなの前でほめること。これを徹底してみてください。そんなことで? と思われる方もいるかもしれませんが、「そんなこと」の徹底で一挙に空気が変わります。弊社のクライアントで、業績も好調な会社ほど、そんなちょっとした気遣いが細かいレベル感でできています。 上司であるあなたは部下に「安心感」と「モチベーション」を与える機会を、ぜひ能動的に探してください。自身がそんなこともできていないのに、「部下に成果を上げてもらおう」となんて虫がよすぎ。
もし「そんなこと恥ずかしくてできない」と思われるのなら、ぜひ、これまでの「古くさい慣習」と「その無意味な照れ」を捨ててください。 ■「あれどうなった?」はNG ④スケジュールの進捗管理をしない そして、最後の4つ目ですが、これが最も重要です。それは、「部下の進捗を細かく管理しないこと」。 安易に「あれどうなった?」「いつまでに何を?」と細かくチェックしていませんか? あるいは管理するために「定例報告会」などをセットしていませんか? はっきり言いますが、すべて時間の無駄、です。
誤解を与えないために、解像度の高いスケジュールはもちろん必要ですが、「管理してはいけない」ということをあらかじめ申し上げておきます。 ゴールから逆算して、この日までに何を、この日までに何を、この日までに何を完了させるか──。部下が仕事に取り掛かる前に、これらのマイルストーン(=目標達成のための重要な中間点)を部下に提示させること、これだけに留めてください。 ただし、その段階で、マイルストーンがアバウト(解像度が低い状態)だったり、実現不可能なものだったりする場合には、そのスケジュールを出し直させてください。
そしてその上で最後にこう一言だけ付け加えます。 「もし、これらのマイルストーンが遅れるときは、すぐに相談に来るように」、と。この一言で縛っておくことで、スケジュール管理は部下自らが主導してやらないといけなくなります。 上司に適切なマイルストーンを提示できる人間は、客先にも同様に対応できる人材です。責任感を持って行動することができる部下には、安心して仕事を任せることができます。 そんな仕事のストーリーを描ける人材を、あなたのちょっとしたコミュニケーションの工夫で育ててください。「お膳立てされた部下のプチ成功機会」なんて小さいものは、上司であるあなたが捨て去らなければなりません。それがあなたの仕事です。