よかれと思ってやっている「部下の育て方」の盲点 「面倒を見すぎて独り立ちできない」問題を解決
間違えても「答え」を教えてはいけません。 「どうしたらいいですか?」と聞かれて「こうしたらいい」という姿勢を示すのはもってのほかです。 「なぜそう思う?」と必ずWhyで問い返すようにしてください。 そして「なぜ?」をくり返したあとには、すかさず、部下の回答に対して「仮にこうなったらどう対応する?」「どんなメリットがある?」「どんなデメリットがある?」と3点セットでこれらの質問を順番に投げかけるようにしてみてください。
また、その対話の途中で、部下が質問を仕掛けてきても、決してその質問に乗らないようにもしてください。小利口な部下は質問返しでその場をしのごうとしてきますから。 とにかく、部下に自ら考えさせる機会を与え、自力で答えを導き出すよう促すのです。 ■ポイントは「うーん、わかった」 ②否定も肯定もしない また、部下の案に対して、いちいちフィードバックするのもやめましょう。手放しに肯定すると、部下は安心して考えることをやめてしまうかもしれません。逆に頭ごなしに否定すると、部下が萎縮するかもしれません。
ポイントは「うーん、わかった」。 たとえ部下の回答がいい線をいっていたとしても、その程度の反応に留め、部下がさらに深く考える「引っかかり」を残すことに専念してください。上司の役割は、部下のご機嫌取りではありません。自主性のある人材に育てることです。 部下の回答には「うーん、わかった」で返す、というクセをあなた自身が身につけてください。長らく経営コンサルタントをしていると、このように返す上司が時代の変化とともにうんと減ってきたと感じています。
リアクションを中途半端に返すことも立派なリアクションです。律儀に「きちんと返答してあげなければいけない」といったお作法は今すぐ捨てましょう。それはお作法でも上司の義務でもなく、あなたが自分自身に勝手に課している呪縛ですから。 部下に対する否定や肯定といった評価と説明こそ、組織を弱体化していることを知りましょう。 ③結果が出たらインセンティブを与える そして、部下が成果を上げたときには、適切な評価と報酬で報いる。これは、お金の総額ではありません。査定評価をいつもより少しでも高く設定する。それが会社の規定でできない場合は、「表彰する」でもかまいません。