夢のハイエンドオーディオ、KEFの「Qシリーズ」スピーカーが8モデル揃って新登場
KEFは、同ブランドのエントリー向けスピーカー「Qシリーズ」をリニューアル、新製品8モデルを発表した。『トールボーイスピーカー✕2』、『ブックシェルフスピーカー✕3』、『センタースピーカー』、『イネーブルドスピーカー』、『壁掛けスピーカー』というラインナップで、シリーズ9世代目となる。 【写真】KEFの独自技術を搭載した「Qシリーズ」 KEFは、レイモンド・クック氏によって、1961年にイギリスのケント州メイドストーンで設立された。そこからBBC(英国放送協会)のモニタースピーカーや多くの家庭用システムを送り出している。なかでも1988年に特許を取得した同軸型スピーカーユニットのUni-Qは、同ブランドの象徴的存在として現行モデルにも多く搭載されている。 ■独自のUni-Qに、MAT技術を組み合わせて音質向上を実現 今回の「Qシリーズ」も同様で、最新の第12世代Un-Q(10/13/16cmの3種類)が搭載されている。参考までに同軸ユニットとは、中央部分に高域を受け持つトゥイーターを配置し、その外側のユニット(ドーナツ状の振動板)で低域を再生するもの。高音と低音の発生源が同じなので、スイートスポットの広い、自然で繊細な音像を楽しむことができるという。 さらに新しい「Qシリーズ」では、同じくKEFの独自技術「MAT」(Metamaterial Absorption Technology)も組み合わせている。MATとは、迷路のような構造を持った薄型の円形パネルで、これをスピーカーユニットの後ろに取り付けることで、後部か放出される不要な音を99%吸収できるというもの。これによって、高域の歪みが除去できるというものだ。もともとはKEFの高級スピーカーシステム用に開発されたものだった、今回は「Qシリーズ」のためにコストパフォーマンスに優れた新しいバージョンを開発・搭載している。 ■もっと迫力が欲しい方に向けて、3ウェイスピーカーもラインナップ フロアー型スピーカーの『Q11 Meta』『Q7 Meta』とブックシェルフ型スピーカー『Q Concerto Meta』、センタースピーカー『Q6 Meta』はUni-Qにウーファーユニットを加えた3ウェイシステムだ。そのウーファーユニットの振動板は、ペーパーコーンの上に浅く凹んだアルミニウム・スキンを載せたハイブリッド構造で、力があり、スピードのある低音を実現している。 なお、前世代の「Qシリーズ」では、ウーファーと駆動回路を持たないユニットを組み合わせたABR(Auxiliary Bass Radiator)方式を採用していたが、新製品ではすべて通常のウーファーを搭載、実際に音を鳴らすユニットの数が増えたことで、これまで以上に力のある低音再生が可能になっている。 2ウェイや3ウェイスピーカーではクロスオーバーネットワーク(入力信号を各ユニットに合わせた帯域に分ける回路)が必要で、今回の「Qシリーズ」ではこの回路も刷新されている。同社工場内にある無響室で、カスタムビルドの無響測定マイクアレイを使った1000を超える測定結果に基づいてもっとも滑らかに音がつながる設定を追い込んでいったそうだ。 ■豊富なラインナップで、あなたにピッタリの使い方もできる 新しい「Qシリーズ」は上記の通り8種類のスピーカーをラインナップしており、ステレオシステムはもちろん、ホームシアターのサラウンドシステムの構築にも最適だろう。イネーブルドスピーカーの『Q8 Meta』をフロントスピーカーやリアスピーカーの上に置くことで最近流行りのドルビーアトモスも楽しめる。 他にも壁掛けスピーカー『Q4 Meta』もリビングシアターの構築には最適。厚さ14cmほどの本体に13cm Uni-Qを搭載したモデルで、2本のネジで壁などに固定できる。壁掛けした薄型テレビの両脇に『M4 Meta』を追加することで、高音質で映画や音楽が楽しめるし、さらに『M4 Meta』をサラウンドに追加すればスマートな環境でのホームシアターが実現できるだろう。 ■インテリアに合わせて、3色の本体カラーから選べる 新「Qシリーズ」は、本格オーディオの入口として使いやすさ、音質ともたいへん魅力的なラインナップといっていいだろう。本体カラーもサテンブラック、サテンホワイト、ウォールナットの3色が準備されており、それぞれに合わせたグリルも付属しているので、インテリアや家具にあわせて選んでみるのもいいだろう。
出水哲
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