「唐津商工共済協同組合」破産手続き開始申し立て、年明けに管財人選任へ…負債7億円で債権者700人超
資金繰り悪化に伴い事業を停止していた唐津商工共済協同組合(佐賀県唐津市、岩村嘉弘理事長)について、組合は26日、佐賀地裁唐津支部に破産手続きの開始を申し立てた。同支部は同日、福岡地裁に手続きを移送した。申し立てを行った代理人の稲津高大弁護士によると、債権者が多く、手続きの遅れを避けるための地裁支部の判断で、年明けに福岡地裁が破産管財人を選任し、手続きが進められる見通しという。 宮崎市佐土原町の銘菓「鯨ようかん」製造、「安田屋」破産手続き…アスリート向けも開発
この日、岩村理事長と稲津弁護士が唐津市内で記者会見した。会見によると、組合は、小売業者や飲食店主ら組合員約720人の出資金を基に事業を行ってきた。組合員への貸し付けによる利息収入や、所有する自社ビルやマンションなどの不動産賃貸収入が収入源だった。2019年度末から5年連続で322万~131万円の赤字決算に陥り、約1100万円の累積赤字となっていた。一方、約1億4000万円あった現預金について、組合員からこの数年、大口の出資金払い戻し請求が相次ぎ、約3000万円に減っていた。
金融機関からの借り入れはなく、今月初旬、岩村理事長が不動産を担保に事業資金の借り入れを金融機関に相談したが、5年連続の赤字決算などを理由に融資を断られ、事業継続を断念したという。
稲津弁護士によると、負債は約7億円で、内訳は組合員からの出資金や積立金がほとんど。債権者は組合員や組合員の家族ら727人と見込んでいる。28日午後に唐津市内で債権者説明会を開くが、「会場に入りきれないほど人が集まれば、運営できないため開催しない」と稲津弁護士は説明する。
岩村理事長は「不動産の売却を進め、少しでも多く組合員の手元に戻るようにする。申し訳ない」と話した。