シニア食はここまで進化した!「料理の鉄人」が嚥下食を監修、飲みすぎや風邪にもピッタリ
料理の鉄人が監修した嚥下食
介護食・高齢者食・嚥下食(摂取・嚥下障害者を対象とする食事)を扱う七日屋(北九州市)は、よりおいしさを追求した商品を投入している。 かつてフジテレビ系で人気を誇った「料理の鉄人」で知られる道場六三郎氏、坂井宏行氏が監修した「100歳ごはん」シリーズだ。 和食の鉄人、道場氏は冷凍メニューの「やわらか仕上げ」。「お米でつないだやわらかハンバーグ」「なすのオランダ煮」「鶏のゆっくり揚げ 秘伝のタレ添え」などがある。 「高齢になると口を大きく開けられなくなりがちなので、食材は小さくカットしていますが、味は崩さないよう心がけています」(道場氏) 100歳を越えても安心して、しかもおいしく食べられる工夫がなされている。 「鶏のゆっくり揚げは外はカリッと、中はジューシーな仕上がり。思いのほか噛み応えはあって、高齢者食ということを忘れてしまいそうです。ちょっと贅沢したいときに利用しています」(60代主婦)
フレンチの鉄人、坂井氏は冷凍「フレンチえんげ食」を手掛けた。嚥下食ながら、見た目はフレンチそのもの。普段の食事とは味わいがかなり違いそうだ。「サーモンとホタテのムース 白ワインのエシャロットソース」「国産合挽き肉と豆腐のハンバーグ シノワ風デミソース」……名前を聞いただけでクリスマスの特別メニューのようだ。 坂井氏は今年9月に高齢者施設で試食会を実施。「豚肩ロースのロースト 蜂蜜のノルマンディソース」など3品を堪能してもらった。参加者の女性は、料理を口にした途端にパッと顔を輝かせ、涙ぐみながら「ありがたい」と口にした。 「食べてらっしゃる人たちの顔を見ていると、うれしくなるよね。これからも、いろいろと提案していきたいと思います」(坂井氏) アサヒグループ食品が2023年に実施した「介護食利用者の意識」調査によると、「自宅には、レトルトやインスタント食品の買い置きがある」と回答した人は19年比で10.1ポイント増加し、67.0%に上った。一方、「食事はできるだけ手作りのほうがよい」は19年比で8.2ポイント減り53.9%。レトルト食品や冷凍食品をはじめ、外部サービスを上手に利用したいという意識は高まっているようだ。