首都直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山噴火が同時に襲ってきたら一体どうなるのか
2024年1月1日、能登半島地震が発生した。大地震はいつ襲ってくるかわからないから恐ろしいということを多くの人が実感した出来事だった。昨年には南海トラフ「巨大地震注意」が発表され、大災害への危機感が増している。 【写真】日本人が青ざめる…突然命を奪う大災害「最悪すぎるシミュレーション」 もはや誰もが大地震から逃れられない時代、ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。 (※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)
「大連動」が起きた過去、そして未来…
〈政府の地震調査委員会が2022年1月、南海トラフで今後40年以内にM8~9級の巨大地震が発生する確率を引き上げたことは知っている。 前年の「80~90%」から「90%程度」とさらに高確率になったことに不安がないと言えばウソになる。〉(『首都防衛』より) 『首都防衛』に登場する「最悪のシミュレーション」に出てくる記述だ。 続いて書かれるのは、首都を襲う地震の次に、南海トラフ巨大地震、さらには富士山まで……一瞬そんなこと起こり得ないだろうと思うかもしれない「大連動」についてである。 じつは、過去には一度起きている。 その事実をどう受け止めるだろうか。
なぜ防災ではなく、「防衛」なのか
今年は、関東大震災から100年を迎える年である。 『首都防衛』を含め関連書籍も多数刊行され、防災関連のニュースも配信され、危機意識は高まっているように思える。 そこで『首都防衛』の「防衛」なのである。 〈国家や国民を脅威から「防ぎ守ること」に主眼を置くならば、首都直下地震や南海トラフ巨大地震、富士山噴火といった巨大災害に対しては「防衛」という言葉を用いるのがふさわしいだろう。 実際、我が国の「防衛力整備計画」(2022年策定)には、防衛力の果たすべき役割として「大規模災害等への対応」を掲げ、自衛隊が災害派遣を迅速に行うための初動対処態勢を整えていることや、震度5強以上の地震が発生した場合は航空機による情報収集を実施していることなどが記載されている。〉(『首都防衛』より) 「防衛」という言葉を、他国からの攻撃やテロなどから国・国民の命を守ることにとどめることなく使い、有事に備えるタイミングに来ている。 つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。
現代新書編集部