【ニューイヤー駅伝】10000m日本記録保持者の塩尻和也とSUBARUのエース清水歓太 群馬出身同学年ライバルの軌跡
群馬から世界へ。ニューイヤー駅伝と同じテーマが、群馬出身の同学年2人にも当てはまる。今回のニューイヤー駅伝では、2人とも2区か3区への出場が予想されている。 SUBARUは三浦龍司(22)、並木寧音(23)、山本唯翔(23)の強力新人トリオが加入したが、清水がエースであることに変わりはない。チーム改革から3年が経ち(23年7位、24年14位)、奥谷監督は「甘さも出てきていた」と見ている。そこに強力新人が加入し、練習では新人が練習を引っ張ることも多い。チームが再度、活性化され始めて臨むニューイヤー駅伝となる。 塩尻の出場区間は予想が難しいが、富士通の高橋健一監督は「引っくり返してくれるとしたら塩尻でしょうね」と話す。 「前回は12月10日に10000mの日本新で走って、ニューイヤー駅伝にも合わせましたが走ってみたらダメでした。今回は夏に故障もありましたが、9、10月の試合には出ずに練習を継続できました。12月1日の日体大は調整しないで27分36秒37のセカンド記録です」。 富士通はチーム全体も、ニューイヤー駅伝に向けての練習の流れを変更した。例年は11月下旬の八王子ロングディスタンスにメンバーのほとんどが出場していたが、「ウチは短い距離が得意の選手が多い。(優勝回数の多い)東日本予選は80kmですがニューイヤー駅伝は100km。11月にしっかり走り込んだ方がいい」(高橋監督)という狙いで今年は八王子を回避。11月に合宿を行い、12月の日体大も前述のように調整をしないで出場し、塩尻を筆頭に7人が27分台をマークした。 「塩尻もずっとチームの練習に合流して、良い流れで来ています」。 塩尻が絶好調で臨むニューイヤー駅伝になりそうだが、清水も準備不足で出場した東日本予選(4区区間5位)と違い、「八王子(27分50秒81)も含めて、想定通りの練習と試合で進められてきた」と負けていない。 ニューイヤー駅伝では2年前に一度だけ、5区で直接対決した。塩尻が45分58秒で区間2位、清水が46分13秒で区間5位だった。今回2人が同じ区間で走る可能性は4分の1以下だが、清水は直接対決を熱望する。 「2年前は負けましたけど、近い位置でタスキをもらっていませんから、と言い訳をさせてください。今回は一緒に走りたいですね。同じくらいの位置でタスキをもらって、最後に彼を抜かすことができたら最高です」。
地元選手同士のデッドヒートが、地元を盛り上げるか。 (TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター) ※写真は左から塩尻選手、清水選手
TBS NEWS DIG Powered by JNN