【整体プロが指南】夜中、何度も目覚めてしまう人へ。涼しくなり、熟睡できる「2つのコツ」
「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は、自力整体の考案者であり、50年近く鍼灸師・整体治療家・ヨガ講師としても活動されてきた矢上裕さん(矢上真理恵さんのお父様)をお迎えし、東洋医学の視点から、夏に出やすい不調の解決法をお届けします。 監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家 (写真/榊智朗 構成/依田則子) 【この記事の画像を見る】 ● 涼しくなり、よく眠れる2つのコツ ――今回は、夏の暑さ、寝苦しさを乗り切る方法を教えてください。 矢上裕:暑くて寝苦しい夜も、熟睡モードへ導くコツは、次の2つです。 1、筋肉のコリをほぐして脱力 2、体熱の分散・平均化 この2つを意識することで、体は涼しくなり、蒸し暑い夜も熟睡できるはずです。 詳しく見ていきましょう。 ● 1、筋肉のコリをほぐして脱力 夏の暑い時期になると、自力整体の生徒さんからよくこんな話を聞きます。 「教室に行く道中では暑くてたまらなかったのに、帰りの道中では外の気温は変わらないのに、不思議に涼しくなっている自分に気がつきました!」 自力整体の実践後に涼しいと感じた理由は、コリが取れたからです。 コリというのは、自分で力を入れようとしていないのに、無意識に力が入っている状態です。 力が入っていますから、当然エネルギーはムダ使いで、筋肉は熱くなっています。 ちょうど車のアイドリング状態と似ています。 そのコリをほぐすと、筋肉が脱力して、エネルギーの消費がストップ。 まるでアイドリングのスイッチを切った状態になるので、涼しくなるというわけです。 ですから、最高の避暑法は、筋肉のコリをほぐすこと。 これを意識して、寝る前に自力整体のような、ゆったりとした脱力運動をおこなってみてください。ワークは後半で紹介しましょう。 ● 2、体熱の分散・平均化 2つ目のコツは、体熱の分散・平均化です。涼しくなり、よく眠れます。 人は、全身の経絡(けいらく・気の流れるパイプ)の流れが悪くなると、熱いエネルギーが体の上半身に集まり、冷たいエネルギーが下半身に集まります。 つまり、足は冷えているのに、顔は火照っている、頭や顔にばかり汗が出る。 たとえると、お風呂を沸かしているときに、お湯に手を触れると上側は熱いのに、浴槽の下の方は冷たい、こんな状態が人体でも起こっているのです。 自力整体をおこなうと、全身の気がめぐり、熱い気と冷たい気が混ぜ合わさって、お風呂をかき混ぜたように体熱が分散して平均の熱さになります。 これが自力整体後、涼しくなる理由です。 「なんだか頭や顔の不快な暑さが、手足の末端に分散され、涼しくなったぞ」という感じです。 私たちが子どものころは、全身くまなく平均して「気」が流れていました。顔に汗が出るけれど、手足にも汗をかいていましたよね。 それが大人になると、「気」の滞りによって、手足は冷たいのに顔にばかり汗が出るという具合になる。 そこで、自力整体をおこなえば、体熱を上半身と下半身に平均して流してやることができる。これが、涼しくなるコツです。 ですから、自力整体そのものが、立派なクーラーなのです。 今年の夏は、より猛暑になるそうです。 自力で暑さも調節できる自力整体を、ぜひ取り入れてみてください。 ――最後に、矢上真理恵さんの著書『すぐできる自力整体』から、蒸し暑い夜でも熟睡できる脱力ワークをご紹介ください。 矢上真理恵:下半身をほぐし、体をゆるめて、熟睡モードへ導く「下半身の脱力」のワークを紹介しましょう。脱力を促し、副交感神経を優位にしていきます。更年期に出やすい不調にもおすすめです。