ひろゆき氏の思考法は「江戸時代に大流行した学問」にそっくりだった…!? 不安な若者の心をとらえる「頑張らない思想」の知られざるルーツ
「ミニマルな生活」と宗教の関係
さらに、「頑張らない」自己啓発と並んで流行しているのが「ミニマルな生活」だ。必要最小限のモノだけを持ち、不要なモノ、古いモノを捨てて気分を一新する。すると、いい運気を呼び込める。2020年に行われた調査では、20代のおよそ4割が「ミニマリストになりたい」と答えたという。 「『断捨離』の生活が人気を博しているのは、宗教的に見ると、それが人生の節目となる『通過儀礼』に代わる役割を果たしているからではないか、と考えられます。 地域のコミュニティが衰退し、祭りなどの行事や通過儀礼が失われ、結婚や出産といったイベントも確実でなくなった現代社会では、個人が自力で通過儀礼を行う必要がある。 面白いことに、『モノを捨てれば人生が変わる』と唱えるインフルエンサーには、『魔法』や『見えない世界』という言葉を好む人が多いのですが、こうした面からも『断捨離』とスピリチュアルが隣接していることが見て取れます」(前出・真鍋氏) 人と人との繋がりが薄れ、孤独な自助努力で生き抜かねばならない令和の時代。日本人は「信心」を見失ったように思えるが、それでも根っこにある「宗教好き」は、変わったようで変わっていないのかもしれない。 「週刊現代」2024年10月26日・11月2日合併号より
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