「春の優勝はフロックではない」

　これまで「大阪2強」と言われてきた履正社と大阪桐蔭を破った大阪学院大高の優勝は、傍から見ると快挙に感じるが、今坂はこう話す。 「どこと当たっても勝てる自信が、春の大会が始まる前からありました。冬にしっかり自分たちにプレッシャーをかけながら、『最後までやり切る』ということをテーマにおいてやってきたので」 　本気で日々の練習に取り組んだことで自信が生まれ、強豪相手にも臆することなく戦うことができたのだ。 　大阪王者として臨んだ近畿大会でも躍進が期待されたが、初戦で須磨翔風に1対3で敗戦。初めて府外での大会となり、「雰囲気に少し呑まれて、自分たちがやろうとしていた野球ができなかった」と振り返る。チームの目標である日本一を目指す過程で、貴重な経験となったはずだ。 「自分たちの一番の持ち味はチーム力です。チーム力でしっかり打ち破って、大阪大会で優勝して、日本一になりたいと思っています」と最後の夏に向けて意気込みを語った今坂。春の優勝がフロックではないことを証明するつもりでいる。 　夏の大会が終わった後にはプロ志望届を提出する予定だ。 「三拍子全て揃ったトリプルスリーを狙えるような選手になりたいと思っています」と将来の目標を語る。大阪学院大高を引っ張る男の活躍から目が離せない。