初公開! 日本経済新聞社の社内マーケティング人財育成プログラムとは?
┌────────── 一人だと、学んだことを周りに説明しても理解してもらえなくて孤独になりがち。共通言語で話せる人が一緒にいると、そこを基点にして考え方を広めていくこともできると考えた(福澤氏) └──────────
今年のプログラムは基礎編と実践編の2階建て
3年目となる今年は、1・2年目の経験から、より実践に即した内容にプログラムをブラッシュアップした。ベースとなる思考法の講座は全員に受講してもらい、その上にスキル(自分の業務に必要な講座を選択して受講)の部分が乗る、2階建ての構造とした。 ┌────────── 一番大事なのは思考法。顧客理解の重要性を理解することが何よりも大事なので、すべての講座に貫かれている(福澤氏) └────────── 思考法の部分である基礎編では、以下のような内容を学ぶ。 ・【目的志向】常に目的に立ち返って思考する習慣 ・【顧客理解】お客様を深く知り、お客様の本質的な課題に寄り添う姿勢 ・【データリテラシー】ファクトに基づき思考する力、ファクトを集める力、分析する力 ・【共通言語】議論や意思決定のスピードを速め、精度を高める その上に乗る実践編では、以下のような講座が用意されている。 ・【戦略】顧客理解に基づき、サービスや施策の設計を行うスキル ・【戦術】目的志向でマーケティング施策をプランニングするスキル ・【実践・検証】戦略、戦術設計に則り実践し、適切に分析、検証を行うスキル プログラムの実施フローは、以下のとおり。 ・Step1:アセスメントを受講(講座受講前) ・Step2:基礎編講座を受講 ・Step3:実践編講座を受講 ・Step4:講座修了ワーク ・Step5:アセスメントを受講(講座受講後) アセスメントは120問程度のオンラインテストで、独自に作成したものだ。受講者には、受講前後で同じテストを受けてもらう。これにより、自身のスキルに欠けている分野を事前に把握したうえで講義に臨めるし、自分がどのくらいレベルアップしたか実感できる。 受講者を送り出してくれた所属部門長には、全プログラム終了後に、メンバーのアセスメント結果2回分を、事後のアンケートや講座修了ワークの結果とともに共有する。アセスメント結果の伸びを示すことで、講座参加の意義や効果を端的に理解してもらいやすい。 外部の汎用的なマーケティング講座などを受講してもらうのではなくオリジナルにこだわるのは、プログラム全体を貫く「顧客理解」の考え方が個々の講座においてもブレないことが大事だと考えたからだ。 プログラムには外部講師を招いている講座もあるが、講座全体の思想に共感していただき、このプログラムに合わせた内容を制作してもらっている。講師には、講師業を専門にしている人ではなく、マーケティングの最前線にいる実務家を選定している。社外の講師に依頼するのは、以下のようなメリットがあると小林氏は語る。 ・外部でその業務に携わっている第一人者の話だと説得力が増す ・他社事例や現場におけるベストプラクティスも含めて話してもらえる